2016 Fiscal Year Research-status Report
ニューロンCMOS回路を用いた連想メモリに関する研究
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15K06032
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
藤本 邦昭 東海大学, 基盤工学部, 教授 (60229044)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 連想メモリ / 集積回路 / ハミング距離 / マンハッタン距離 / ニューロンCMOS / クロックドCMOS / CAM / 一致検索 |
Outline of Annual Research Achievements |
連想メモリは、入力データと記憶した参照パターンを比較し、一致または類似する参照パターンを検索し出力するメモリであり、画像認識、音声認識など様々な領域での応用が期待されている。その記憶方式はアドレスを使用せず人間の記憶方式に類似している。そこで、我々は神経細胞に似た特性を持つニューロンCMOSインバータを用いれば、簡単な構成の連想メモリが実現できるのではないかと考えて本研究に着手し、2016年度において以下の研究成果を得ることができた。 (1)マンハッタン距離を類似度の指標とした連想メモリにおいて、ある一定範囲内の類似度のデータが検索可能な連想メモリを提案し、その動作を電子回路シミュレータHSPICEにより確認した。 (2)28nmCMOSプロセスにより最小ハミング距離検索連想メモリの試作を行った。 (3)ニューロンCMOSインバータは優れた機能を持った電子素子であるが、一般のCMOSインバータに比べて消費電力が大きい、そこで、ニューロンCMOSインバータの電源およびグランド部分にクロックを印可したpチャネルMOSFETおよびnチャネルMOSFETを配置したクロックドニューロンCMOSインバータを考案し、これによりニューロンCMOSインバータの消費電力を大幅に削減できることを明らかにした。 (4)電子回路において、配線は信号を伝達するためだけに使用され、配線間の容量は性能を劣化させるため、なるべく小さくなるよう設計してきた。しかし、配線間容量を積極的に使用することでニューロンCMOSインバータを構成できることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
熊本地震の対応に追われ研究時間を確保できなかった。また、地震の影響で実験装置が破損し、研究を再開するのに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
クロックドニューロンCMOSインバータを用いた連想メモリとニューロンCMOSインバータを用いた連想メモリの性能をシミュレーションおよび実チップを用いた実験により比較したい。また、配線間容量を利用して構成したニューロンCMOSインバータを用いた連想メモリの集積化を行い、実チップを用いた実験により性能を評価したい。
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Causes of Carryover |
熊本地震の対応に追われ研究時間を確保できなかったため、予定していた集積回路の試作を行うことができなかった。また、予定していた海外出張もも熊本地震のために行くことができず次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
集積回路の熱解析を行う必要が生じたため近赤外線カメラの購入に50万円、集積回路の試作に30万円、電子部品購入費用に10万円、国際会議のための外国旅費に30万円、資料収集のための国内旅費に10万円(5万円×2回)、人件費に30万円の使用を予定している。
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Research Products
(4 results)