2017 Fiscal Year Annual Research Report
Self-routing optical circuits for multi-level optical communication and WDM systems
Project/Area Number |
15K06043
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 洋 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (50264073)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分散性媒質 / 数値計算 / Z変換 / ソリトン / WDM方式 / 自動ルーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
現状の光通信システムにおける光信号処理は、電気信号と光信号の変換(E/OまたはO/E変換)を伴うため、その処理時間が伝送速度におけるボトルネックとなっている。申請者は、E/OまたはO/E変換を経ず、光通信における信号経路の切替(ルーティング)を、光信号キャリア周波数と光信号振幅に依存して行う光回路の基本的な検討を主として数値シミュレーションによりおこなった。その際、光信号伝送・処理回路として注目されているフォトニック結晶構造を応用することとした。また、高価な設備を必要とする光信号周波数での実験の代替として、比較的安価なマイクロ波領域でフォトニック結晶回路を製作し、信号周波数に依存する出力ポート切替実験を行った。 光信号処理では、信号振幅の増大とともに現れる自己屈折率変調などの非線形光学効果が知られている。しかし、現状の光通信では、非線形光学効果が信号歪みを増大させ、通信速度低下などの悪影響があることから、非線形現象が現れない程度に小さく且つ信号伝送に必要な電力を確保するように入力信号エネルギーが選択されてきた。申請者は、光通信でこの現象を取り扱うために、ディジタル信号処理で周波数フィルタ処理を時間領域の演算で直接おこなうことが可能なZ変換を用いた時間領域有限差分法の定式化を利用し、非線形媒質中のパルス電磁波伝搬シミュレーションを行った。また、マイクロ波領域でフォトニック結晶導波路の実験をおこない、フィルタ構造を組み合わせて信号周波数による出力切替が可能であることを実験とシミュレーションの両方で確認した。 これら実験およびシミュレーションの成果を、論文として公表し講演を行った。当該年度に配分された研究費は、数値計算ソフトウェア保守契約更新、学会及び研究打合せのための旅費、論文投稿料として使用した。
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Research Products
(5 results)