2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K06053
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
梅林 健太 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20451990)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コグニティブ無線 / ダイナミックスペクトラムアクセス / 周波数利用観測 / 協調型観測法 / 電力検出 / 信号領域推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、複数観測機からの観測情報を融合する処理においてさらなる効率化を実現するための技術開発をまず行った。一般的には、各観測機では、FFT(Fast Fourier Transform)とさらに、電力検出等により周波数利用の観測結果を、情報収集機へ送り、情報収集機において各観測情報の融合を行う。この場合、情報量は観測情報の表現方法に大きく依存するが、FFTと電力検出を用いた場合は、周波数ビン数×FFTタイムスロット数だけの周波数タイル(1ビン×1タイムスロット)に対して、周波数の空き状況(占有・非占有)の情報を送付することとなるため非常に膨大な情報量となる。そこで、電力検出結果をもと信号占有領域を推定する手法と、領域の位置情報を送付する手法を開発した。信号占有領域とは1連続信号(例えば1パケット分の信号)は時間‐周波数軸に対してほぼ長方形で複数タイルを含んで存在する領域のことを指す。これにより、大幅に観測情報を削減出来ることと、観測精度を改善出来ることを示した。 また、一般的なFFTではなく、Welch FFTを用いることで、自由度を有効活用し、観測精度をさらに高度化出来ることが分かっている。しかし、Welch FFTにおけるセグメント(平均化に用いる自由度)を適切に設定する必要があり、その最適設定法も明らかにした。 また、融合方法としてOR-ruleを用いてその性能を明らかにした。信号領域推定アルゴリズムは、信号検出能力を改善するが、同時に誤警報率を悪化させてしまう。そこでその対策として、誤警報抑制法の提案を行い、さらなる検出能力の高精度化を達成した。また、以上の手法をプロトタイプに実装し、観測実験を行い、その妥当性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究方針として、協調時における融合法に関する検討(情報収集の効率化・信号利用観測の高精度化)、そして融合を考慮した電力検出における閾値の設計法、そして雑音見誤り(誤警報)対策を研究課題として掲げてきた。平成27年度における大きな成果の一つとして、信号領域推定法がある。これは、当初予定していなかったが、融合時における情報収集の効率化と信号利用観測の高精度化に大いに貢献をし、さらには従来の画像信号処理等で用いられる手法と比較しても低計算量化が達成出来ることが明らかとなっている。この点においては進捗状況は非常に芳しいが、この手法を用いたことにより、閾値の設計を解析的に行うことが非常に困難となった。一方で、代替案として門手かるシミュレーションにより時間をかければ閾値の設定は可能であることと、高いSNRにおいては、誤警報が十分小さい場合には、閾値を十分低くすればあまり性能に差が出ないことも分かっている。以上の点より、「おおむね順調」と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、本基盤(C)に基づいて国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)の科研費を採択させて頂いたので、これに基づいて計画を大幅に変更する予定である。特に、この国際共同研究強化により、フィンランドにおける実証実験を8月ごろから行い、提案システムの妥当性をより正確に評価し、同時にその実験結果をフィードバックし、より高効率な周波数利用観測及び、周波数共用(ダイナミックスペクトラムシステム)の実現を目指す予定である。 そこで、まず先の課題として残っている閾値の解析的設計と同時に、各種必要な技術課題に早期に取り組む必要がある。同時に、それらの各種要素技術を組み込んだ早期に小型の観測プロトタイプを完成させて、フィンランドにおいて実証実験に取り組む。 よって、研究代表者のみならず、必要な人員をフィンランドに派遣し、研究活動に取り組む予定である。
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Remarks |
研究室ホームページ内において科研に限定せず研究成果を載せてあります。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Spectrum awareness system prototype for smart spectrum access2015
Author(s)
Kenta Umebayashi, Riki Mizuchi, Hiroki Iwata, Kazuhiro Hayashi, Masanao Kobayashi, Samuli Tiiro, Yoshitaka Tamaki, Tatsuya Maruyama, Janne Lehtomaki, Miguel Lopez-Benitez and Yasuo Suzuki
Organizer
International Workshop SmartCom 2015
Place of Presentation
構造計画研究所 本所新館 (東京 中野区)
Year and Date
2015-10-26 – 2015-10-27
Int'l Joint Research
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