2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K06055
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 泉 東京工業大学, 工学院, 助教 (90583435)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 画像マッチング / ハール変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度に見出した大型画像変換として,任意サイズHaar変換の画像マッチングに関する研究を,EURASIP(ヨーロッパ信号処理学会)のトップカンファレンスである26th European Signal Processing Conference において発表した.任意サイズHaar変換は,離散コサイン変換や離散フーリエ変換に比べて,前処理として積分画像を求めておくことにより,圧倒的な速さで変換係数を求めることができる.一つの基底画像に対して,変換係数を求めるための演算回数はその大きさに関わらず一定であるため,特に大型の画像に対して有効な手法である,また,従来のHaar変換は,2のべき乗の信号点数にしか適用できなかったが,任意サイズに対応したことで,種々のアプリケーションにおいて利用可能となった.変換係数の演算回数だけでなく,マッチング時に候補を絞り込んでいくことで,さらなる高速化を図った.マッチング時の絞り込みの速度を,画像内の小領域をテンプレートとした画像内検索を例に,変換係数をもとめた候補ウィンドウ数の全候補ウィンドウ数に対する割合,残存候補ウィンドウ数の全候補ウィンドウに対する割合,最終基底画像番号の3つの点から検証し,これを10th International Symposium on Image and Signal Processing and Analysisにおいて発表した.また,マッチング性能の良さを実証するため,任意サイズHaar変換の画像マッチングのノイズ除去としての利用を, 電子情報通信学会・信号処理シンポジウムにおいて発表し討論をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
離散コサイン変換の近似を考えていたが,アルゴリズムの選定に時間を要していた.また,積分画像を利用することで,特に大型画像に対して,圧倒的に速度を向上できるHaar変換を見出し,その解析に時間がかかった.
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Strategy for Future Research Activity |
大型画像変換の一つとして,任意サイズHaar変換に関する論文を発表する.また,近年注目されているディープラーニングによる画像マッチングとの比較をおこなう.国内外の信号処理・画像処理の会議に出席し,最新動向の調査をおこなう.
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Causes of Carryover |
離散コサイン変換の近似に関する良好な性質のアルゴリズム選定に時間がかかり遅延が生じたこと,また新たな大型変換である任意サイズHaar変換を見出し,その解析および検証の研究をおこなったため,計画変更があった.本年度は,引き続き最新動向調査のための国内外会議の出席のための旅費・会議参加費,および研究成果の発表にかかる論文掲載費に,経費を当てる所存である.
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