2015 Fiscal Year Research-status Report
高速障害復旧と消電力化を実現する仮想網のトポロジ設計法とトラヒック制御技術
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15K06058
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
橘 拓至 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20415847)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 障害復旧 / 仮想ネットワーク / 省電力化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ユーザに仮想網を提供する将来ネットワークに対して,高速障害復旧と消電力化を実現する仮想網のトポロジ設計法とトラヒック制御技術を確立する.提案するトポロジ設計法では,グラフ理論の概念と最適化問題を用いて,高速障害復旧可能なネットワーク形態を維持しつつ使用リンク数が少ないトポロジを設計する.このとき,ネットワークの輻輳状況も考慮してトポロジを決定する.またトラヒック制御技術では,各リンクのトラヒック負荷を考慮したデータ転送を行うために,経路選択確率を最適化問題によって導出する.両技術を利用することによって,障害から迅速に復旧可能で,かつ消電力な将来ネットワークを構築できるため,仮想網の利用が進むにつれて両方式の普及が期待できる. 初年度となる平成27年度は,まず,高速障害普及と省電力を考慮して仮想網のトポロジを設計するために,適切なトポロジ設計処理順を決定するアルゴリズムを提案した.提案したアルゴリズムでは,最適化問題を利用することで多くの仮想網を構築することが可能になった.また,遺伝的アルゴリズムを利用して収益が多くなるトポロジ設計順の決定アルゴリズムについても提案を行った.提案した2つのアルゴリズムの性能をシミュレーションで評価し,数値例において各アルゴリズムの有効性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度となる平成27年度は,当初の予定では,高速障害復旧と省電力化をそれぞれ考慮した2つのトポロジ設計法を確立する.確立した2つの設計法の有効性をシミュレーションで評価することであった.しかしながら,関連研究において,仮想網の構築順が仮想網の構築性能に影響を与えることが判明したため,まずは,仮想網の構築順に関する検討を行った.そのため,当初の予定よりもやや遅れることとなったが,将来検討すべき事項を事前に検討することができたため,本課題全体でみると遅れは少ないと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は,最初に,高速障害復旧と省電力化をそれぞれ考慮した2つのトポロジ設計法を確立する.確立した2つの設計法の有効性をシミュレーションで評価し,各方式を用いることで高速障害復旧と省電力化が実現できることを示す.さらに,高速障害復旧と省電力化を同時に実現するトポロジ設計法を確立する.本方式の性能もシミュレーションで評価し,有効性を示す.さらに平成29年度以降は,障害発生時の輻輳を回避するためのトラヒック制御技術を確立する.本技術の効果は,ネットワークシミュレータns3によって調査する.最後に,トポロジ設計法とトラヒックエンジニアリング技術のシミュレーションと実装で評価する.実装での評価が難しい場合には,ns3による評価を行う.
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Causes of Carryover |
今年度は研究の進捗が予定よりも遅くなったため,計画していた国際会議の旅費・参加費が不要になり,データ収集補助などの費用も不要になった.そのため,次年度の使用額が生じることとなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究成果によって,当初予定していた旅費・参加費,人件費などに使用する予定である.
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Research Products
(2 results)