2015 Fiscal Year Research-status Report
シンボルペア読み出し通信路向け誤り訂正符号のペア重み分布と性能解析
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15K06065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 融 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (70190098)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シンボルペア符号 / シンボルペア通信路 / 最小ペア距離 / 誤り訂正符号 / 最小距離 / 重み分布 / リード・マラー符号 / リード・ソロモン符号 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 最小ペア重みやペア重み分布の計算アルゴリズムの開発と実装:与えられた符号に対して、その生成行列から最小ペア重みやペア重み分布を計算するアルゴリズムを設計した。これについては従来からの重み分布計算の方法をベースに設計した。そして、2元符号および多元符号について、計算するプログラムを実装した。さらに、リード・マラー符号やリード・ソロモン符号について、各種の符号パラメータの値(符号長た最小重み)において、ペア重み分布を計算した。双対符号のペア重みとの関係を利用した計算法について検討を行った。 2. 最小ペア重み付近の符号語数:リード・マラー符号に対して、符号語の論理式表現を利用して、通常のシンボル位置の場合に、任意の符号パラメータにおける最小ペア重みとそれより1大きい重みについて、符号語数を表す式をそれぞれ導出した。また、リード・ソロモン巡回符号についても、最小ペア重みの符号語数について、任意の符号パラメータについて式を導出することができた。 3. 符号のシンボル位置置換と最小ペア重みの関係:符号のシンボル位置置換と最小ペア重みの関係について、リード・マラー符号を対象に数値計算で求めた。通常のシンボル位置と拡大巡回符号となるようなシンボル位置置換についてペア重み分布を計算した結果、拡大巡回符号となるシンボル位置置換のほうが最小ペア距離は大きいことがわかった。また、上述の理論解析の結果、拡大巡回符号とシンボル位置置換のほうが最小ペア距離は小さくならないことは示せた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラム開発やそれを用いた計算は、おおむね順調に実施されている。最小ペア重み付近の符号語数の理論解析については、順調に研究が実施され、予想を少し上回る成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、プログラム開発をさらに進める。また、理論解析についても、今年度の研究により、いくつかの新しいアイデアが生まれたので、それに基づき研究を進める。また、今年度実施できなかった海外研究者との討論を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度、一部の計算結果から理論的解析に進展が見込まれたことから、理論的解析に注力し、計算機の購入計画を変更したことが理由の一つである。また、他の業務の影響で、まとまった出張をすることができず、海外の研究者を訪問することができなかったことが旅費の支出額減となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に、残額と併せて計算機を購入する。また、海外の研究者を訪問することによって、繰り越し額を使用する。
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