2016 Fiscal Year Research-status Report
動画像キャッシュ配信システムにおける複数品質動画コンテンツ管理方式の研究
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15K06067
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
児玉 明 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (50277828)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 動画像配信 / キャッシュ / 動画像管理方式 / 階層符号化 / 複数品質 |
Outline of Annual Research Achievements |
動画取得時間の短縮,サービスコストの低減を目指し,キャッシュ型動画配信に着目し,動画配信におけるキャッシュ動画管理方式の複数品質への対応と動画人気集中時の効率低下抑制について検討した. 本年度は,前年の動画像管理用品質依存ルールを用いて,また,1日変動モデルを用いて,動画像の人気変動時の効率低下の課題に着目した.ただし,動画像コンテンツとして,定常利用コンテンツと更新利用コンテンツの2種類を利用し,これらのコンテンツにおいて人気を考慮したZipfの法則に基づいたアクセス数によりモデル化を行った. これまでのアクセス変動における増加時,及び減少時の課題として,特に減少時の未対応の課題があった.そこで,新しく優先度価値の変動に対応する方法として,線形推定法に加えて,2次関数近似推定法,及び指数関数近似推定法を提案し,その有効性について,シミュレーション実験により,評価した.その結果,従来の線形推定と比較して,効率低下抑制効果があることが確認され,本提案方法の有効性が明らかになった.ただし,区間推定時の区間の設定方法により,抑制効果にある程度時間を有する問題を抱えており,区間に対する検討は今後の課題である. 加えて,本推定法において,アクセス数の増減に対する適応手法を検討しており,学会でも発表を行った.さらに,実モデルへの対応として,これまで,キャッシュ動画像更新時の処理時間を無視していたが,更新方法を定義することで,更新時の処理遅延について考察し,更新ルールの定義を行った.本ルールの利活用を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度,本研究に関連した研究成果として,次の発表を行った.(1) 児玉 明:"アクセス変動に対応した複数品質映像コンテンツ管理方式の一考察", 画電年大, No.R1-1, pp.1-4 (2016.6). (2) Mei Kodama:"A Cached Video Content Management Method with Priority Estimation According to the Content Property in VCDS-MQ with Scalable Data", Proc. of 12th IEEE Image, Video and Multidimensional Signal Processing Workshop (IVMSP 2016), pp.1-5 (2016.7). (3) 児玉 明:"キャッシュ型複数動画像配信システムにおける動画像管理法のキャッシュ効率向上に関する一考察", 画像電子学会研究会, No., pp.1-5 (2017.3). (4) 児玉 明:"複数品質キャッシュ動画像管理方法における更新手順による効率変動の一考察", 信学総大, No.D-11-48, pp.1 (2017.3). 以上のように,アクセス数変動に対する解決方法を提案,及び評価実験を行い,本手法の有効性を明らかにしており,本年度計画していたとおり進んでおり,概して研究進捗に問題ないと言える. 特に,各種変動モデルにおいて,キャッシュ効率低下を抑制する優先度価値推定という新しいアイディアを提案し,その効率向上を明らかにし,研究成果をまとめることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度導入した実モデルにおいて,管理方式低下時の課題として,アクセス数減少時の対策として,優先度価値推定法を提案している.本推定法を適応的に切り替える方法を現在検討しており,その成果を外部発表して行く予定である. また,予定通り研究が進んでおり,動画像コンテンツ管理方法としてのこれまでの提案法の課題について,再整理するとともに,本手法の有効性について明らかにしていく.
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