2015 Fiscal Year Research-status Report
多色照明を用いた反射率画像の推定とデータセットの構築
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15K06076
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
奥田 正浩 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (10336943)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 反射率画像 / 固有画像分解 / Local Linear Model |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究成果は以下の通りである。 1. 複数画像を用いた反射率画像の推定:フラッシュを用いて撮影した画像と用いずに通常撮影した画像2枚を用いて、画像を反射率画像と陰影画像に分離する手法を考案した。主観評価、客観評価ともに結果従来の手法と比較して性能が上回ることを示した。 2. 参照画像を用いた画像統合:フラッシュを用いた画像と高ISO感度で撮影した画像を統合することにより、暗部のボケを低減する手法を提案した。Local Linear Model を用いた画像統合問題を定式化し、凸最適化手法を用いて効果的に解を求めることに成功した。結果、従来の手法よりも高速で、かつボケが少なく、効果的な統合が行えることを確認した。 3. ハイパースペクトル画像のノイズ除去: ノイズのある画像の反射率を推定するためのノイズ除去手法を考案した。スペクトルライン特徴量を導入し、その特徴を基に画像を分離しデノイズすることで、従来手法と比較してより優れたデノイズ性能が得られることを示した。 上記の研究成果に対して対外発表を行った。IEEE Trans. Image Processingに2本の論文がアクセプトされた。IEEEのフラグシップ会議であるInternational Conference on Image Processing(ICIP)やInternational Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP) において合計4件の論文を投稿し発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の一つの目的である、フラッシュとノンフラッシュの二枚の画像を用いた反射率推定手法に関する効果的な手法を考案した。入力画像を反射率画像と陰影画像に分離する問題をスパース最適化問題として定式化し、その問題を高速に解くことで良好な結果が得られることを確認した。また反射率画像推定手法をホワイトバランス問題に応用し、こちらも従来法を上回る結果が得られることを示した。 この研究成果を画像処理分野で著名なフラグシップ国際会議であるIEEE International Conference on Image Processingで発表した。またそれを発展させた論文をIEICE Transactions on Information and Systemsに投稿し採録された。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度考案た、二枚の画像を用いた反射率推定手法はその性能が従来の手法を大幅に上回り、国際会議等で高く評価された。今後はこれを多方向照明に発展することでより精度を上げる。また分光測定器を用いて、アルゴリズムの精度を定量的にかつ正確に評価する。
またハイパースペクトルカメラを用いた反射率画像推定手法を考案し、RGBカメラよりもより精度の高い反射率画像推定手法を考案する。それらの手法を反射率画像のデータセット構築を構築する。
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