2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K06081
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
湯川 正裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (60462743)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 再生核 / 適応フィルタ / オンライン学習 / 直交射影 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に得られた3つの研究成果を簡潔に述べる。(a) L2 空間射影に基づく非線形適応アルゴリズムを構築した。従来のカーネル適応フィルタでは、基底ベクトルで張られる空間における未知非線形関数の最良近似が最小平均二乗解に一致しないという不整合性が生じていた。L2 空間ではこの不整合性が解消される。L2空間の計量を効率的に算出する手法も提案し、有効性を複数の数値実験で実証した。この成果は 2017年8・9月に開催された国際会議 European Signal Processing Conference 2017 で発表した(ジャーナルにも投稿中である)。(b) 非線形ビームフォーマ法に応用し、少数のアンテナで多数の干渉信号を効果的に抑圧できることを実証した。これはFraunhofer HHI 研究所(ドイツ)との共同研究成果である。本成果は、2018年5月に開催予定の国際会議IEEE International Conference on Communications 2018 で発表予定である。(c) 分散型信号処理に拡張し、センサーネットワークに応用した。また、ハイブリッド型辞書アプローチ(大域的な辞書と局所的な辞書を用いる手法)も提案し、シミュレーションで有効性を実証した。これらはブレーメン大学(ドイツ)との共同研究成果である。これらの成果は、二つの国際会議IEEE International Workshop on Signal Processing Advances in Wireless Communications (SPAWC 2017), IEEE International Conference on Acoustic, Speech, and Signal Processing (ICASSP 2018) で発表し、ジャーナルに投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定しなかった分散型アルゴリズムへの拡張まで進めることができた。辞書をオンラインで学習する手法を構築することが今後の課題として残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
Bremen大学(ドイツ)の共同研究者と定期的にskype を使ってディスカッションを行ない、分散型アルゴリズムの研究を継続している。研究室の学生とも月に2回程度のミーティングを実施しながら、辞書学習の方針を固め、シミュレーションで有効性を検証している。順調にいけば、今年度中に目標を達成可能であると考えている。
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Causes of Carryover |
シミュレーション用計算機とノートパソコンは、前年度使用していたものが使用可能な状態であったため、新規の購入は見送った。参加予定だったNIPS2017は、人数制限によって参加できなくなった。Asilomar conference で発表予定だった論文をICASSP 2018(4月)で発表することになった。以上の理由により、次年度使用額が生じた。 使用計画:【1, 設備備品費】シミュレーション用計算機(dell)460,000円、【2,消耗品】書籍代80,000円、【3. 旅費】ICASSP 旅費(申請者+学生1名)600,000円、EUSIPCO 旅費(申請者+学生1名)600,000円、【4. その他】ICASSP 参加費(申請者+学生1名)150,000円、EUSIPCO 参加費(申請者+学生1名)100,000円、【合計】1,990,000円
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