2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K06089
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
牧野 滋 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40393524)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | AMC基盤 / 小型薄型アンテナ / インピーダンス特性 / VSWR特性 / 放射パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 多周波数共用,広帯域アンテナとして考案したMACKEY-E型,および,O型について検討し,その性能限界を明らかにした.MACKEY-E型を用いた二周波数共用化について検討し,約2倍程度の周波数比が実現できることを明らかにした.ただし,高い方の周波数帯域が狭くなり,これが今後の課題である.また,MACKEY-O型を用いた二周波数共用化について検討し,約1.5倍程度の周波数比が実現できることを明らかにした.また,MACKEY-O型の広帯域化についても検討し,誘電体基板を厚くすることにより,20%以上の帯域を実現できることを明らかにした. (2) 無線LANに用いられる2GHz帯,5GHz帯のアンテナについて検討した.高い方の5GHz帯の帯域が広いため,共用化は困難であることがわかったため,個別のアンテナでの実現性について検討した.2GHz帯については,周波数帯域が比較的狭いため,通常のMACKEYで実現できることを,解析および試作により確認した.周波数帯域の広い5GHz帯については,前記MACKEY-O型で実現できることを,解析および試作により確認した.また,これら二つのアンテナを並べて使用することにより2GHz帯/5GHz帯をカバーする構成について検討し,3mm程度の隙間を設けて配置することにより,相互結合による性能劣化を低減できることを明らかにした.また,上記いずれの場合においても,アンテナが自由空間のみならず,金属上においても動作するというMACKEYの特徴を有することを,解析および試作により確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の課題であった「多周波数共用化,広帯域化」,および,「無線LAN用アンテナ」については,いずれも計画どおりの成果を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
・アンテナシステムへの適用 今後,様々な家電品に多様な通信機能が付与されていくことを想定し,実際の家電品の筐体上に配置可能な大きさで,実際の通信システムに用いられる周波数帯域で動作するAMC装荷アンテナチップを設計する.具体的には,パソコンやデジタルカメラに内蔵する無線LAN用アンテナやLTE用アンテナ,テレビに内蔵する地デジ用アンテナ,金属上に張り付け可能なRF-IDタグなどを想定している.主にシミュレーションによって実施するが,最終的には,試作・実験により検証する.
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Causes of Carryover |
昨年度分繰越金が多かったために差引額が残ったが,今年度分については,予定よりも若干オーバーした.試作が多かったためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
誘電体基板が当初の予定よりも値上がりしているが,差引額を翌年度分と合わせて有効に活用する予定である.
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