2016 Fiscal Year Research-status Report
RGBカメラによる術中リアルタイム脳組織オキシメトリーイメージング装置の試作研究
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15K06105
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西舘 泉 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70375319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 安昭 山形大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40343074)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳局所酸素飽和度 / 脳機能イメージング / 脳血流 / 脳組織障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウマ保存血液とポリスチレンラテックスビーズ溶液を用いた脳組織光学ファントムモデルを作成し、計測値の校正とシステム基礎特性の評価を行なった。光学ファントムモデルは散乱体内部に赤血球体積分率35~50%の血液を含む、脳の灰白質を再現した単層で構成した。血中酸素飽和度の調整は標準酸素ガスとハイドロサルファイトナトリウム試薬を用いて行った。以上により、空間・時間分解能、測定範囲の評価を行なった。麻酔下で頭部を切開し、頭骨を除去したラット露出脳を対象に脳局所酸素飽和度の2次元計測実験を行った。標準酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガスの混合により吸入酸素濃度FiO2%に0~95%の範囲内で変化を与え、さらにヒーターにより体温を33~38℃の範囲で変化させることで、脳局所酸素飽和度をコントロールした。また、本方法による計測と同時に、採血型血液ガス分析装置を用いて、血中酸素飽和度、ヘマトクリット値、総ヘモグロビン量の測定も行い、本方法で得られる脳局所酸素飽和度や総ヘモグロビン量との比較を行い、提案法の妥当性について確認した。さらに、血行動態パラメーターに加え、脳組織バイアビリティと関連するとされている脳組織形態変化を反映する光散乱特性の変化を可視化する方式を新たに考案した。光散乱変化は血液ガス分析装置により得られた血液pHやカリウムイオン量の変化から推定される細胞形態変化の傾向と矛盾しない結果が得られた。以上の成果を国内学会、国内開催国際会議、海外開催国際会議にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、脳組織光学モデルファントムによる実験と実際のラット生体脳を対象にした動物実験を行った。動物実験では、大腿動脈カニュレーションにより経時的に採血した血液を血液ガス分析装置により分析することで、提案法で得られる脳局所酸素飽和度、ヘマトクリット値、総ヘモグロビン量との比較を同時に行うことができた。この比較から、提案法で得られる測定値は血液ガス分析装置の結果を良く反映しており、高い相関が得られたことは大きな成果である。一方で前年度からの引き継ぎ課題である脳組織酸素代謝率の算出については、光学系を修正することで撮像視野の高空間分解能化とイメージングの高時間分解能化を達成し、血管中の赤血球の移動を追跡できることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策)血液ガス分析装置との比較について、さらにサンプル数を増加させることで、本方法の妥当性に関する正確度、精度の評価を行う。また、血管中の赤血球の血管軸方向移動距離と移動時間から移動速度を算出することで脳血流速度の算出を行い、脳組織酸素代謝率のイメージングについて実証する。
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Causes of Carryover |
H28には、本方式により得られる脳局所酸素飽和度と脳組織障害の相関を見るために、虚血負荷後24時間後に脳組織を取り出し、免疫組織化学による染色を行う予定であったが、脳組織障害を反映すると考えられる光散乱特性の変化をin vivoで可視化する方式が可能であることが明らかとなった。そのため、計画を変更し、まず、脳局所酸素飽和度と光散乱特性変化との相関を確認することを優先したため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、免疫染色を用いた脳組織障害の評価と提案法との相関の検討は次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] RGB画像に基づくラット大脳皮質の局所酸素飽和度評価2016
Author(s)
原崎芳加, Mustari Afrina, 西舘泉, 川内聡子, 佐藤俊一, 佐藤学, 小久保安昭
Organizer
光・量子デバイス研究会Technical Meeting on “Optical and Quantum Devices”, IEE Japan
Place of Presentation
東北大学 東京分室
Year and Date
2016-09-26
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