2016 Fiscal Year Research-status Report
サブミリ波帯直交偏波共用広帯域周波数選択板に関する研究
Project/Area Number |
15K06115
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
真鍋 武嗣 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50358991)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 啓 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所リモートセンシング研究室, 総括研究員 (70358993)
西堀 俊幸 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究領域主幹 (80280361)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 周波数選択板 / FSS / サブミリ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 単層FSSの設計: 昨年度に引き続き,JCSA型およびMCSA型のFSSについて400~750 GHzの周波数範囲で入射角45度の場合について反射透過特性の周波数および偏波依存性について,モーメント法による解析を行った,その結果,MCSA型FSSの形状パラメータを最適化することにより, JCSA型に比べて比帯域の大きい単層型FSSが得られることを明らかにした.また,JCSAやMCSAのような限定され形状ではなく,自由度の高い任意のスロット形状を用いることによる単層FSSの広帯域化について,FSSの単位セルを格子状の要素に分割してそれそれの要素における導体の有無を01の離散値配列で表現し,遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)による最適化手法を適用することにより,FSSの広帯域化ができることを示した. 2. 単層FSSの試作,特性評価試験とその結果の評価検討: 上記の1で設計された単層MCSA型を試作した.当初は,誘電体膜を用いない単純な中空スロットを想定していたが,MCSA形の金属導体の鋭角部分が金属内部応力により変形することが危惧されたため,2μm厚の誘電体(SiN)薄膜上に蒸着した200nm厚の金にphotolithographyによりスロットを形成することとし,このために形状を若干修正した.試作品は年度末に完成したが,今年度は特性評価試験には至ることが出来なかった. 3. FSSを2層化することによる広帯域化設計: 上記の1で得られた中空型単層MCSA型FSSを2層化することによる透過帯域の広帯域化について検討した.その結果上記の1で得られたMCSA型FSSの場合,2層の間隔を213μmとすることにより,透過率99%の帯域幅を約70 GHz(比帯域約11%)が実現できることを明らかにした.これにより,従来のJCSA型FSSを2層化して得られる帯域幅に比べて約1.8倍の広帯域化が実現できる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
単層型FSSの試作に年度末までかかったため,今年度は特性評価試験には至ることが出来なかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
1. 単層FSSの特性評価試験とその結果の評価検討: 前年度に試作した単層FSSについて,反射・透過係数の周波数特性およびその偏波依存性を400 GHz~750 GHzのサブミリ波帯で測定し,その結果について測定実験により評価検討する. 2. FSSを2層化することによる広帯域化設計: 前項の特性評価試験とその結果の評価検討結果に基づき,同様の単層FSSを一定の間隔で平行に2枚配置した2層構造とすることにより,透過の広帯域化の可能性についてシミュレーションにより検討する.2層化FSSの試作については,最終年度までの予算では困難であることが判明したため,試作は断念する.
|
Causes of Carryover |
単層FSSの試作に年度末までかかり,単層FSSの測定評価実験に取り掛かることができなかったため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度生じた次年度使用額は,今年度実施出来なかった測定評価実験および成果の学会発表などに充てる.
|
Research Products
(3 results)