2016 Fiscal Year Research-status Report
非負値行列因子分解による姿勢制御メカニズム解明のためのヒトの感覚統合モデルの構築
Project/Area Number |
15K06131
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
千葉 龍介 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (80396936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高草木 薫 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10206732)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 姿勢制御 / 感覚統合 / モデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではヒトの姿勢制御メカニズムの解明のため,「感覚統合」の数理モデル構築を目的とする.姿勢制御は,多種感覚を統合し,その統合結果に従った筋活動パターンを出力するとの仮説のもと,制御に必要な感覚の組み合わせと駆動される筋活動パターンをモデル化することで,当該仮説を検証する. そのために主要感覚(視覚・平衡感覚・深部体性感覚・表面体性感覚)の阻害・強調の方法を確立する必要がある.そこで本年度は実験系構築を構築し,立位姿勢時の筋活動計測を行い,その実験系の評価を行った. 近年,感覚と運動に関する研究が非常に盛んとなり,それに伴い感覚統合のモデル化研究もかなり発表されている.しかし,それらの研究は対象とする感覚が限定的であったり,筋活動計測まで至っていない場合が多い.多くの感覚を同時に操作可能とし,重心動揺のみならず筋活動も同時に計測することにより,感覚統合のモデルが明確となることが期待される. 具体的には,視覚は昨年度までのOculus riftに代わりHTC Viveを導入し仮想空間の提示を行った.また,前庭感覚においては,これも昨年までのカロリックテストに代わり直流前庭刺激装置を導入し,前庭感覚の阻害を行った.さらに昨年までは体性感覚は接触による表面体性感覚の刺激のみを行ってきたが,本年度では振動刺激装置による筋・腱振動を与えることによって深部体性感覚の刺激を行った. HTC Viveによってより没入感のある視覚刺激が期待される.直流前庭刺激装置によってより定量的な感覚阻害が可能となった.筋・腱振動刺激によって姿勢制御に重要とされる固有感覚の阻害が可能となった.更にはこれらの組み合わせにより,姿勢により影響を与えることが観察された.すなわち最終年度に向け実験系の構築がほぼ完了し実験・計測からモデル化に至る下地が完成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に精査した国内外の研究状況により,実験系に改良を必要としたため,昨年度は実験系構築にやや遅れが出た.しかし,すでに実験系構築は終了しており,今年度の実験・計測に多大な影響はないと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初に予定通り,本年度は実験・計測からモデル化を行う予定である.既に実験計画を立てており,倫理審査も受けている.被験者も順調に確保できているため,予定通りに行うことが可能と考えている.
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