2015 Fiscal Year Research-status Report
分布定数系の多分解能システム理論の構築 -モデル表現と包括的コスト最適制御-
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15K06144
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平田 健太郎 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (00293902)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モデリング / 分解能 / モデル予測制御 / 分布系 |
Outline of Annual Research Achievements |
むだ時間系のモデル表現と偏微分方程式系への拡張に関して, モノドロミ作用素の定義域とスペクトルの関係についての共著論文が国際誌IEEE TACに掲載された.また, 高次ホールド近似に基づくモノドロミ作用素のスペクトル計算に関する共著論文が国内誌ISCIE論文誌に掲載決定した. これらを発展させた作用素状態方程式表現に基づく状態予測制御系のモデリング, 有限極配置の拡張などについても検討を進めている. スケーラブルな多分解能モデル表現については検討を継続中であるが, 複数の観点を盛り込んだモデル化の例として, 過渡成分と周期成分を考慮した概周期信号予測モデルについて, 周期動作の最適アシストの文脈から検討している. これに関する国際会議論文2編(IEEE ICIT2015, IEEE AMC2016)と国内誌論文1編(JSME論文誌)が採択, 掲載されている. また, 市販のレーザープリンタを流用した, 温度分布制御実験用のプラットフォーム作成にも着手している. 同実験装置を用いた定着プロセスのモデル化と切替型温度推定オブザーバの設計に関する結果を国際会議 IEEE ISMS2016 で発表した. さらにその内容を発展させたものを国際誌 IJSSST に投稿中である. さらに分布系のモデル化と制御の観点から, チューブポンプによる圧力変動のない流体の搬送について検討し, 共著論文を国際会議 IEEE ICIT2016で発表した. 熱間圧延後の冷却テープルにおける鋼板の3次元温度分布制御に関して, 可変分解能モデルと階層型制御方策によるモデル予測制御の検討を行い, 結果を国際会議 IEEE IECON2016に投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したように, それぞれの項目に対して, 会議発表・論文掲載を含む一定の成果が得られており, 研究全体としてはおおむね順調に進展しているものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降は, 時空間分解能・空間周波数を独立に扱う, より柔軟でスケーラブルなモデル表現の検討と, 動的な分解能変更による計算コストも含めた包括的最適制御の実現に重点を置いて, 研究を進めたい.
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Causes of Carryover |
関連する国際会議出張が4月となったため, 旅費の支出に変動が生じた. また温度分布制御実験プラットフォームを現有のレーザープリンターを元に作成したため, 当初予想よりも使用金額が少なくなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度中の複数回の外国出張で旅費を執行する予定である. また追加経費を投じて, 温度分布モニタ性能を向上させるなど, 制御実験プラットフォームのバージョンアップを図る.
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