2016 Fiscal Year Research-status Report
深層学習とDeep GMDH型人工知能技術による腹部X線CT画像解析と診断支援
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15K06145
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上野 淳二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (60116788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 正 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (80205559)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ニューラルネットワーク / GMDH / MDCT / 医用画像診断 / CAD |
Outline of Annual Research Achievements |
画像診断機器の進歩により医療における画像診断の役割が拡大している。なかでもX線CT断層撮影装置の発達はめざましく、多列検出器型CT断層撮影装置(MDCT)の登場により撮影の高速化と体軸方向の空間分解能向上がもたらされた。撮影の高速化は広範囲の撮影を可能とし、体軸方向の空間分解能向上は等方向性volume dataの取得を可能とした。これらにより高精細な三次元画像情報が得られるようになったが、1回の検査で撮影される断層画像(2次元画像)の枚数は数百枚から数千枚にも達している。このような膨大なデータは診断的価値の増加をもたらしたが、それを読影する医師に対しては負荷の増大や作業効率の低下を招く可能性が出てきた。このような状況を解決するために、コンピュータを用いて大量に発生する医用画像を効率よく処理して、医師の診断支援を行うためのコンピュータ支援画像診断(CAD)システムの開発が求められている。本研究では、腹部のMDCT画像を対象にして、人工ニューラルネットワークの新しい理論である深層学習(ディープラーニング)とDeep GMDH(Group Method of Data Handling)-type ニューラルネットワーク理論を組み合わせて高精度な画像解析を行う新しい人工ニューラルネットワーク(混合型ディープニューラルネットワーク)理論の開発を行った。そして、この混合型ディープニューラルネットワーク理論を組み込んだ3次元腹部医用画像を対象にした医用画像診断のためのコンピュータ支援画像診断システムの開発を行っている。本年度は腹部臓器の中で肝臓や他の臓器の領域を正確に抽出できることを確認し、腎臓の領域抽出に関する論文を発表し、肝臓領域の抽出および肝臓癌の領域抽出について国際学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新しい混合型ディープニューラルネットワークの理論を組み込んだ3次元腹部医用画像を対象にした医用画像診断のためのコンピュータ支援画像診断システムの開発を行っているが、システムが複雑かつ大規模であるために、開発に時間がかかっている。このため、全体の進捗状況としては少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は研究の最終年度であり、新しい混合型ディープニューラルネットワークス理論を組み込んだ3次元腹部医用画像用コンピュータ支援画像診断システムの開発を完成させる予定である。そして、臨床データを用いた診断精度の確認などを実行して、29年度末に国際会議で研究成果を発表できるように、本研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
Deep GMDH-typeニューラルネットワーク理論を用いた腹部医用画像認識の研究成果を発表した論文の掲載が4月に伸びたために、論文の掲載料を次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した使用額は、論文が掲載されたのちに、論文の掲載料として4月の初めに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)