2015 Fiscal Year Research-status Report
超高強度繊維補強コンクリートにおける繊維の配向と力学特性の評価
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15K06164
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
内田 裕市 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (20213449)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 繊維補強コンクリート / 繊維の配向 / X線CT / 曲げ破壊特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高強度繊維補強コンクリート(UFC)を対象として,UFCの流動性ならびに試験体の形状がUFC中の繊維の配向に及ぼす影響を検討することを目的として実験を行った。実験のパラメータはUFCのモルタルフローと試験体の形状であり,モルタルフローを210mmと280mmの2種類とし,試験体の断面を幅100mm,高さ400mmとした背の高い梁と,幅400mm,高さ100mmとした平板状の梁の2種類とした。硬化後に所定の位置で試験体を切断し,切断面を目視で観察するとともにX線CTにより繊維の配向の観察を行った。また同一試験体から曲げ試験片を切り出し曲げ載荷試験を行い,曲げ破壊挙動と繊維の配向の関係を検討した。実験で得られた主な結果は以下の通りである。 (1)フローが小さいUFCの場合,背の高い梁では打込み位置側の底面から流動方向上向きに立ち上がるような放物線状の配向となることが切断面の観察から推定され,X線CTの画像においてもそのような配向となることが明確に示された。一方,平板状の試験体では打込み位置を中心とした同心円状の配向を示すことが,切断面の観察とX線CTの画像から確認された。 (2)フローが大きいUFCの場合,背の高い梁では配向が乱れ,規則的な配向は見られなかった。一方,平板板状の試験体では,上面ではフローの小さいUFC同様に打込み位置を中心とした同心円状の配向が見られたが,底面付近ではそのような配向は見られず,試験体の軸方向に配向した。 (3)曲げ試験の結果とX線CTによる画像を比較すると,CT画像において切欠きに対し垂直に配向している繊維が多く確認できるものほど最大荷重が大きくなり,X線CT画像で観察される繊維の配向と曲げ試験の結果は定性的に一致する結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
X線CTの画像からUFC中の繊維の配向に対するUFCの流動性および試験体の形状の違いの影響を確認することができた。また,現状では定性的ではあるが,曲げ破壊特性と繊維の配向の関係も確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
・大型の試験体について繊維の配向の状況を観察する。 ・X線CTの画像から繊維の配向の定量化を試みる。 ・繊維の配向と曲げ破壊特性の関係の定量化を試みる。
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Causes of Carryover |
残額が少なく,必要な物品が購入できなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として使用する。
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