2015 Fiscal Year Research-status Report
情報技術(IT)を活用した社会インフラの維持管理情報プラットフォームの構築
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15K06165
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中村 秀明 山口大学, 理工学研究科, 教授 (20207905)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 施工管理記録 / 維持管理記録 / データベース / GPS / 準天頂衛星システム / 識別 / 個別ID |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今後さらに重要となる社会インフラ(特にコンクリート構造物)の維持管理を飛躍的に発展させるため、最新の情報処理技術(IT)を活用し、維持管理に役立つツールやソフトウェアの開発、知識やノウハウを共有するための情報プラットフォームを構築し、社会インフラ維持管理の効率化、合理化を図るものである。本年度は、以下の項目について検討を行った。 ■維持管理情報プラットフォームの全体的な枠組みについての検討 山口県ではコンクリートの施工管理記録のデータベース化を行っており、一般に広く公開している。研究代表者は、現在、このデータベースの改良を行っており、新たなデータベースとして公開する予定である。また、山口県では、県の職員自らが橋梁点検を行っており、点検データの蓄積も行われている。そこで、山口県土木建築部の協力のもとで、山口県の施工管理記録データベースと維持管理データベースを統合し、本研究で構想している維持管理データベースの雛形について検討を行った。現在のところ、このデータベースは位置情報による管理は行われていない。 ■構造物識別モジュールの構築 現状では、インフラの管理者が、国や地方自治体、高速道路会社、鉄道会社等、複数に分かれており、維持管理に関する情報が共通のIDによって管理されていない。しかし、日本の社会インフラを効率的に維持管理するためには、国民一人一人がもつマイナンバーのように関係するデータ同士を共通のIDで管理するのが望ましい。そこで、GPSの位置情報を活用した構造物識別技術により、インフラ管理者によらない全国統一のIDで維持管理情報を管理する方法を考案した。このマイナンバーに相当する構造物個別のIDにより、山口県の施工管理記録データベースと維持管理データベースの統合について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度途中の採択であり、遅れが予想されたが、学会での委員会活動で研究を進めていたことから、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、「点検支援モジュール」の構築を行う予定である。 インフラの点検は、目視点検が基本となるが、点検技術者の経験や技術力によってばらつきが生じるため、目視点検では、定量的なデータを蓄積することが困難である。精度の良い点検データを数多く蓄積することにより劣化予測等の精度も高まる。そこで、目視による点検データを効率良く、定量的に獲得するため、点検時に撮影された写真に対して深層学習(Deep Leaning)による先端的画像処理を行い、ひび割れの抽出や計測、変状部位の特定を行い変状図自動作成や過去の点検画像との比較が容易に行えるシステムを構築する。橋梁等では5年に1回の点検が行われるため、過去画像と現在画像との定量的な比較により、損傷の進行状況をより正確に把握できる。画像同士の比較では異なる位置からの撮影やレンズやカメラの違いなどにも対応できるように、先端画像処理による新たなマッチング技術を開発する。
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Causes of Carryover |
予定した物品は購入しており、購入に際して発生した残金である。無理に不要なものを購入する必要もないので、翌年度分とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額の残金であり、物品費として使用する予定である。
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