2016 Fiscal Year Research-status Report
情報技術(IT)を活用した社会インフラの維持管理情報プラットフォームの構築
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15K06165
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中村 秀明 山口大学, 創成科学研究科, 教授 (20207905)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 目視点検 / 画像処理 / 人工知能 / 深層学習 / Deep Learning / 点検画像 / 変状図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今後さらに重要となる社会インフラ(特にコンクリート構造物)の維持管理を飛躍的に発展させるため、最新の情報処理技術(IT)を活用し、維持管理に役立つツールやソフトウェアの開発、知識やノウハウを共有するための情報プラットフォームを構築し、社会インフラ維持管理の効率化、合理化を図るものである。本年度は、以下の項目について検討を行った。 ■インフラの点検は、目視点検が基本となるが、点検技術者の経験や技術力によってばらつきが生じるため、目視点検では、定量的なデータを蓄積することが困難である。精度の良い点検データを数多く蓄積することにより劣化予測等の精度も高まる。そこで、目視による点検データを効率良く、定量的に獲得するため、点検時に撮影された写真に対して深層学習(Deep Leaning)による先端的画像処理を行い、ひび割れの抽出や計測、変状部位の特定を行い変状図自動作成や過去の点検画像との比較が容易に行えるシステムを構築した。 ■橋梁等では5年に1回の点検が行われるため、過去画像と現在画像との定量的な比較により、損傷の進行状況をより正確に把握できる。画像同士の比較では異なる位置からの撮影やレンズやカメラの違いなどにも対応できるように、先端画像処理による新たなマッチング技術を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
点検時に撮影された点検画像を人工知能の教師データとして用いる。点検画像の入手に手間取ったが、点検画像は今後も随時入手可能であり、特に問題無く概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、「スマートフォン・タブレットによる点検支援システム」の構築、点検データの「統計的手法による分析」、「知識情報処理によるデータ分析」を行う予定である。 スマートフォンやタブレットは身近に広く普及しており、これらの情報端末を用いて点検作業を支援するシステムの開発を行う。また、点検データを詳細に分析するため、従来の統計的手法のみならず、機械学習など知識情報処理の技術を活用したデータ分析を行う。
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Causes of Carryover |
予定した物品は購入しており、購入に際して発生した残金である。無理に不要なものを購入する必要もないので、翌年度分とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額の残金であり、物品費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)