2016 Fiscal Year Research-status Report
マクロセル腐食の抑制効果に優れたRC構造物用断面修復材料及び工法の開発
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15K06171
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
出村 克宣 日本大学, 工学部, 教授 (10155484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 俊克 日本大学, 工学部, 講師 (70547819)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マクロセル腐食 / ポリマーセメント系断面修復材料 / 促進防せい性試験 / 屋外暴露試験 / 犠牲陽極材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,マクロセル腐食の抑制効果に優れたRC構造物用断面修復材料の開発を目的とした3年の研究期間の2年目である。平成28年度は,次に示す実験を予定していた。 (1)平成27年度の結果による,カルシウム系防せい剤の塩化物イオン固定化能力の解明 (2)促進防せい性試験及び屋外暴露試験の継続 (3)屋外暴露1年後の供試体中の棒鋼の発せい状況観察 (1)については,塩化物イオン量及びカルシウム系防せい剤の添加率を変化させて調製したセメントモルタル試料を用いて,塩化イオン固定化量を分析する条件を見出したが,固定化能力の解明を明確にするには至らなかった。(2)については,日本大学工学部構内において,断面修復箇所の模擬供試体の促進防せい性試験を継続し,定期的に供試体中の棒鋼の自然電位を測定している。又,北海道泊村暴露試験場において,屋外暴露試験を継続し,定期的に供試体中の棒鋼の自然電位を測定している。(3)については,日本大学工学部構内の促進防せい性試験における未補修供試体において,棒鋼の発せいが認められなかったため,棒鋼の自然電位のモニタリングを継続することにした。又,屋外暴露試験供試体についても,同様に棒鋼の自然電位のモニタリングを継続することにした。 なお,RC構造物用断面修復材料としての塩化物イオン固定化材混入ポリマーセメントモルタルの強さ及び塩化物イオン浸透性状に関する知見を得ると共に,促進防せい性試験における棒鋼の自然電位のモニタリング及び供試体のひび割れ発生状況観察の結果より,カルシウム系防せい剤がマクロセル腐食抑制効果に優れる可能性があることを見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度における研究は,研究実績の概要に示した(1)の項目については,固定化能力の解明を明確にするには至らなかったものの,塩化物イオン固定化量を分析する条件を見出しており,固定化能力の解明のための基礎的条件を得ることができた。(2)の項目については,おおむね計画通りに研究が進行している。(3)の項目については,供試体中の棒鋼の発せいが認められず,供試体中の棒鋼の発せい状況観察を行うに至らなかったものの,促進防せい性試験における棒鋼の自然電位のモニタリング及び供試体のひび割れ発生状況観察の結果より,カルシウム系防せい剤がマクロセル腐食抑制効果に優れる可能性があることを見出していることから,研究目的を達成するための成果が得られており,審査論文1編及び口頭発表2編の研究業績を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の計画にあったカルシウム系防せい剤の塩化物イオン固定化能力の解明を試みると共に,現在継続中の促進防せい試験及び屋外暴露試験に供している供試体中の棒鋼の発せい状況を観察して,自然電位モニタリングの観察結果との関連性を明らかにする。又,これらの結果をもとに,試製断面修復材料のマクロセル腐食抑制効果及び,ハイブリッド型断面修復工法の防せい効果を検討することにより,補修に伴うマクロセル腐食の抑制効果に優れた鉄筋コンクリート構造物の断面修復材料及び工法の提案に結び付ける。
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Research Products
(3 results)