2015 Fiscal Year Research-status Report
透水型枠工法による寒冷地コンクリート構造物の長期耐久性の向上
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15K06174
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
菅原 隆 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 名誉教授 (10042152)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 土木材料 / 複合材料・物性 / 国土整備 |
Outline of Annual Research Achievements |
透水型枠工法によるコンクリート表層部品質の改善効果について、表層強度の変化、凍結融解抵抗性、スケーリング抵抗性について従来工法との比較を行い、凍害と塩害の複合劣化作用に対して、高い抵抗性を持つ高耐久性コンクリートの開発を行う目的で研究を進めたもので、平成27年度の研究実施計画に基づいて行った結果、次のような事柄を明らかにする事が出来た。 引き抜き法による表層強度について見ると、透水型枠工法により表層部を緻密化したものはシート種類にもよるが、表層強度は1.23倍から1.29倍の強度増加を示した。これらが気中凍結水中融解方式での凍結融解作用を受けた場合、融解時の水分が養生側に作用したと思われ凍結融解作用300サイクル時点では僅かではあるが強度が増加の傾向を示した。 スケーリング抵抗性に関しては、RILEMのCDF法(毛管浸透方)により1日1サイクルの試験方法で行ったが、通常工法でのコンクリートに比べ、透水型枠工法により表層部を緻密化させたもののスケーリング量は少なく、凍害と塩害の複合劣化作用に対して極めて優れた抵抗性を示すことがわかった。 凍結融解作用を受けたコンクリート内部と表面のひずみ変化について、埋め込みゲージと表面貼り付けゲージを用いて測定した結果、表面ひずみの変化よりも内部ひずみの変化が大きい傾向を示した。これについては実験継続中でもありしっかりと考察をする必要がある。透水型枠工法による表層部の水セメント比の変化については、素早く行なわなければ水分量の変化により正確な値を見出すことが困難である。計画に沿って実験を行ったものの高周波加熱装置の台数不足もあって、データにばらつきがあり、再実験することになっている。 平成27年度の研究は研究計画に沿ってほぼ順調に実施できたと言える。これらの実験結果を精査し、平成28年度の研究計画に繋げて行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
透水型枠工法によるコンクリートの表層強度、凍結融解抵抗性、スケーリング抵抗性については研究計画の通り実施し、当該年度に行った実験の結果については研究成果の一部をまとめ、第70回セメント技術大会への発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度および平成29年度の研究については以下のように推進していく。 1.コンクリートについての凍結融解試験と塩化物浸入による表面剥離に関する実験を行う。①凍結融解試験は歩車道ブロック製品を約10×10×40cmとなるように切断して行う。②スケーリング試験は歩車道ブロックの製品となる上面部分と側面部分との2面についてRILEM(CDF)法による表面剥離に関する実験を行う。 2.通常施工、透水型枠工法(シート種別の違い)、透水型枠工法(隙間テープ)によるコンクリートの表層強度、凍結融解抵抗性、スケーリング抵抗性について比較検討する。① 通常施工による表層強度、ASTM C-666 B法による凍結融解抵抗性、スケーリング抵抗性について明らかにすると共に、透水型枠工法によるシート種類の違いによる表層強度、凍結融解抵抗性、スケーリング抵抗性についても明らかにする。②透水型枠工法に隙間テープを使用した場合の表層強度、凍結融解抵抗性、スケーリング抵抗性について明らかにする。
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Research Products
(1 results)