2015 Fiscal Year Research-status Report
高性能基底関数を用いた高精度かつCADとの親和性の高い流体構造連成解析手法の構築
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15K06200
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
丸岡 晃 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30310973)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 流体構造連成 / 高性能基底関数 / 有限要素法 / 数値流体力学 / NURBS / 移動境界問題 / 自由界面流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、流れ場の中に置かれた構造物が流体力を受けて変形し、またその変形によって流れ場が変化するような流体構造連成問題を精度よく解析することを目的として、流れ場と構造物の境界・領域形状表現および流速、圧力、変位等の目的変数の近似に高性能基底関数を用いた流体構造連成解析手法を構築する。高性能基底関数とは、Hermite補間に基づく基底関数やCADの形状表現に用いられるBスプラインやNURBSのような導関数に対して連続性を可能にするものであり、一般的な有限要素法で用いられるLagrange補間に基づく基底関数と比べて関数近似能力および形状表現能力に優れている。このような高性能基底関数の適用によって、高精度かつCADとの親和性の高い流体構造連成解析手法の構築が期待できる。 平成27年度は、まず、非圧縮性ナビエ・ストークス問題に対して、NURBSを用いた混合型Bスプライン近似に基づく時間2次精度の特性ガラーキン法を開発し、ベンチマーク問題による精度検証を行い、良好な精度を得ることができた。つぎに、この開発手法を、移動境界を有する問題として自由界面流れに適用できるように拡張を試みた。自由界面の扱いには、当初は境界組み込み型手法による流体構造連成手法への展開を考慮して、流体解析を固定メッシュのみで行う界面捕捉法の適用を行ったが、界面付近で解が不安定になる傾向があり精度向上が得られなかったため、界面追跡法の一つであるALE(Arbitrary Lagrangian and Eulerian)法を適用した。スロッシングおよび孤立波の解析による精度検証を行い、良好な精度を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NURBSを用いた流体解析手法の開発および移動境界を有する問題の一つである自由界面流れへの拡張については、「9.研究実施の概要」に記載したように、一定の進展を得ることができたと考えている。しかしながら、当初は、境界組み込み型手法による流体構造連成手法への展開を考えていたが、自由界面流れにおいて大変形する自由界面を精度よく扱うことができなかった。また、これまでの流体解析手法は、単一NURBSパッチによる手法のみであり、領域・境界の形状表現に対する適用性が乏しい。 今後、大変形を伴う移動境界問題については、境界適合型手法の方が精度を損なうことがないように考えられる。さらに、領域・境界の形状表現の適用性を向上させるため、マルチNURBSパッチを適用できるように拡張する必要がある。しかしながらこの方法も、任意の領域・境界の形状表現に対する適応力に乏しいため、一般的な有限要素法で行われている単体要素によってメッシュを作成し、3次Hermite要素によって目的変数を近似する方法も代替案として考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「11.現在までの達成度」に記載したように、マルチNURBSパッチによる境界適合型手法の適用した移動境界を有する流体解析手法の開発が必要であると考えている。また、その代替案としての3次Hermite要素によって目的変数を近似する方法も検討していく。 平成27年度は、解析コードの開発が中心だったために、大規模解析を必要としなかった。また、数値解析の実施にあたって、解析コードの開発途中だったため、数値解析の実施についても研究代表者自身が行っていた。平成28年度以降は、大規模解析が必要になることが予想されるため、計算処理能力の高いマルチコアプロセッサーを有する高速計算機を導入することを考えている。また、数値解析を実施についても、数多くのケーススタディが必要になってくるため、八戸工業高等専門学校・専攻科生2名を研究協力者として依頼し、数値解析の実施(入力データの作成、計算の実行、計算結果の後処理)に協力していただくことを考えている。
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Research Products
(3 results)