2016 Fiscal Year Research-status Report
竜巻飛散物・噴石に対する退避シェルター用防護部材の開発
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15K06203
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
別府 万寿博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 教授 (90532797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市野 宏嘉 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 准教授 (70760982)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中速度衝突 / 局部破壊 / 全体破壊 / 耐衝撃設計法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,竜巻飛来物や火山噴石等による衝突(衝突速度10-150m/s,以下では中速度衝突と呼ぶ)に対する退避用シェルター(防護部材)について研究を行うものである.昨年度は,中速度衝突を受けるプレーンコンクリート版やSS400鋼板の破壊挙動について実験的検討を行った.また,飛翔体の運動を高速度ビデオカメラで撮影し,画像解析することで衝突荷重を間接的に算定する方法を検討した. 今年度は,補強効果について検討するため,コンクリート版については鉄筋や超高強度繊維補強コンクリート(UFC)による補強効果について検討を行った.鋼板については,複層化する効果やステンレス鋼が破壊挙動へ与える影響について実験を行った.その結果,コンクリート版の場合は,鉄筋による補強効果は小さいことやUFCによる補強効果は大きいことがわかった.鋼板については,同じ板厚の場合,複層化することによって耐貫通性能が低下することがわかった.また,ステンレス鋼板は,SS400鋼板よりも耐貫通性能が高いことがわかった.飛翔体の剛性や強度が構造部材の破壊に与える影響を調べるため,衝突によって変形する柔飛翔体を用いて衝突実験を行った.その結果,柔飛翔体による吸収エネルギーによって,構造部材の破壊が大幅に低減することを明らかにした. コンクリート版および鋼板の破壊メカニズムを調べるため,有限差分法を用いた数値シミュレーションを行い,解析による実験結果の再現性について検討を行った.その結果,コンクリート版および鋼板ともに,ひずみ速度効果を考慮した材料モデルを用いることで,実験結果をある程度再現可能であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画のとおり実験を行い,中速度衝突を受けるコンクリート版および鋼板の補強方法について検討した.また,数値解析を実施し,実験結果をある程度再現した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,設計法確立のために必要な実験を行うとともに,数値解析を行い実験結果をより精度よく再現するモデルについて検討を行う.解析結果に基づいて,コンクリート版および鋼板の破壊メカニズムを解明する.また,実務設計で用いることが可能な理論モデル等の提案を行う.特に,飛翔体の運動エネルギーや柔飛翔体の吸収エネルギーに基づいて,防護部材の板厚を決定できるような設計法の検討を行う.
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Causes of Carryover |
当初の予定では数値解析用ワークステーションを購入する予定であったが,現在の解析モデルでは大規模計算を行うことなく,実験結果をある程度再現することが可能であることを確認したため,ワークステーションを購入しなかった.また,前年度の実験結果を踏まえ,実験ケースを大幅に縮小したため,実験消耗品を購入しなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析で使用するワークステーションについては,現在の解析結果を踏まえて必要に応じて購入する予定である.また,実験消耗品等を購入する予定である.
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