2016 Fiscal Year Research-status Report
組合せ荷重を受ける斜杭パイルド・ラフトおよび群杭基礎の変形挙動に関する研究
Project/Area Number |
15K06208
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 樹典 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (10143877)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊一 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (10243065)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | パイルド・ラフト / 群杭 / 斜杭 / 組合せ荷重 / 模型実験 / 砂地盤 / 杭の曲げモーメント / ラフトと杭の荷重分担 |
Outline of Annual Research Achievements |
飽和地盤における鉛直載荷と水平振動載荷を受ける直杭のみを有する3本杭群杭模型基礎および3本杭パイルド・ラフト模型基礎の振動台実験を行った。この結果、パイルド・ラフト基礎では、群杭に比べて、沈下抑制およびロッキング抑制効果が著しく高いことを明らかにした。また、パイルド・ラフト基礎では、ラフトから地盤への応力伝達によって、地盤の拘束応力が増加するため、地盤の液状化抑制効果が期待できることを示した。 乾燥砂地盤において、直杭3本杭群杭、斜杭3本杭パイルド・ラフト、直杭6本杭群杭、斜杭6本杭パイルド・ラフトを対象に、鉛直載荷実験および鉛直荷重を載荷した条件での繰返し水平載荷実験を実施した。この結果、群杭およびパイルド・ラフト基礎において、斜杭を導入することで、基礎の沈下剛性、水平剛性、回転剛性が効果的に改善されることを明瞭に示した。また、6本杭基礎の挙動は、3本杭基礎の挙動を単に2倍したものにならないこと、すなわち、ラフト-杭-地盤の相互作用を適切に考慮した設計(解析)手法を用いることが、杭基礎の変形挙動解析に重要であることを実験的に示した。 模型載荷実験の解析に先立ち,模型地盤に使用した砂の一連の三軸試験を行い,力学的パラメータを評価するとともに,その応力-ひずみ関係を再現できる構成モデルを選択した。最終的にHypoPlastic model (HP model) によって,三軸試験で得られた砂の応力-ひずみ関係を広範囲の応力レベルで再現できることを確認した。 後者の実験のFEM解析を実施したところ、解析結果は、実験結果をかなり良い精度で再現することができた。このことにより、今後の解析的研究の一層の進展が期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していた模型実験が予定通りに終了した。この模型実験では,斜杭を有する基礎とそうでない基礎の挙動比較に主眼を置いていたが、これをほぼ達成した。静的繰返し水平載荷実験の数値シミュレーションも、ほぼ行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
斜杭を有する杭基礎の静的・動的な水平荷重,転倒モーメント荷重に対する抵抗メカニズムを実験的,解析的にかなり詳しく解明できた。また,このタイプの杭基礎の静的・動的荷重に対する安定性も検証できた。今後は,風荷重や波力を受ける杭基礎構造物への適用を鑑み,基礎構造物に直接に繰返し振動載荷を与える模型実験を行うことを予定している。また,海洋構造物の杭基礎の場合,各杭をキャップド・パイルとすることで,パイルド・ラフトと同様な優位性が見込めるが,これを実験的に調べることも予定している。
|