2016 Fiscal Year Research-status Report
内部構造診断と数値破壊解析による改良土の原位置強度ばらつき評価と性能設計への反映
Project/Area Number |
15K06222
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
高野 大樹 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 主任研究官 (80626218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 喜壽 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 教授 (20532790)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 可視化 / 数値解析 / 改良土 / X線CT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,改良土の内部構造を考慮した数値破壊シミュレーションによる,原位置における強度のばらつき評価とその性能設計への反映を目的とする.具体的には,原位置でサンプリングされた,または原位置の改良土の強度のばらつきを考慮して作製した改良土の間隙・欠損分布に代表される内部構造のばらつきに着目し,マイクロフォーカスX線CTを用いてその不均質性がマクロな変形・破壊挙動に寄与する影響因子の評価を行う.次に,X線CTを用いた実験で得られた内部構造を基に多数の仮想サンプリング供試体をコンピュータで再現し数値破壊実験を行い,結果を統計的に処理することで原位置のばらつきを評価する.これらの結果に基づき,より精度の高い性能評価型設計における地盤パラメータの決定法の提案を行う. 改良土の強度出現過程において土内部で生じる挙動をマイクロフォーカスX線CTを用いて可視化し,定量的な評価を行った.また,異なる条件下(例えば,安定剤の添加量,母材の含水比,養生日数,拘束条件など)において,変形・破壊がどのように進展していくかを三軸圧縮試験とX線CT,画像解析を組み合わせた試験によって定量的に評価した. また,上記実験で観察された挙動を数値解析で再現すべく,粒状離散化有限要素法(PDS-FEM)を用いて再現解析を行った.Drucke-Pragerの関連流れ速による弾塑性構成式を導入し,圧縮破壊,引張破壊の条件に異なる基準を採用することで実験からの巨視的な挙動を再現することが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は,実際にセメントにより安定処理した浚渫土を対象に,その強度発達過程と変形・破壊過程における土内部構造の変化を三次元かつ経時的に可視化および定量評価を行った.また,数値解析では,実験で観察された改良土の力学応答を適切に再現するべく,Druker-Pragerの関連流れ則による弾塑性構成式を導入し,圧縮,引張破壊の表現のために個別の破壊基準を設定することで巨視的な挙動を再現することに成功した.以上より,期待した研究成果が得られているために本研究は概ね順調に進展しているとした.
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Strategy for Future Research Activity |
微視的な挙動を定量的に評価するために,極小供試体で三軸圧縮試験を行いマイクロスケールにおける改良土の破壊挙動また,内部構造のばらつきが巨視的な挙動に及ぼす影響について調べる. また,実験で観察された内部構造のばらつきと巨視的な挙動の関係を数値解析で再現し,実験結果を補間すべく数値解析を行う.
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Causes of Carryover |
当該年度において極小供試体を対象としたX線CT搭載型三軸圧縮試験装置を作製せず,既存の装置を用いて試験を行ったため,装置作製の費用を使用しなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において極小供試体を対象としたX線CT搭載型三軸圧縮試験装置を作製する予定である.
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Research Products
(4 results)