2015 Fiscal Year Research-status Report
三環状概成を迎える東京都市圏の物流施設立地に関わる多時点分析
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15K06247
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
兵藤 哲朗 東京海洋大学, その他部局等, 教授 (40218748)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 物流計画 / 立地選択 / 物流調査 / 空間相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
第4回および第5回の東京都市圏物資流動調査結果を用いて,10年間の物流施設の立地数の変化を調べた.その結果,土地利用条件で大きく変化しており,準工業地域で減少,工業専用地域で増加と,周辺土地利用との整合性が確保された変化傾向にあることが分かった. また,新たな立地選択モデルとして,誤差および効用の空間相関を取り込んだ方法論について整理を行うと共に,第5回調査結果を用いて,そのモデル推計を行うことが可能となった.推定結果より,空間相関を考慮したモデルでは,推計精度の向上や,あるメッシュの効用変化が,周辺メッシュにスピルオーバーする効果などを明示的に扱い得ることが確認された.ちなみに,その成果は,土木学会論文集に,審査つき論文として掲載された. また,トラックプローブデータを用いることにより,メッシュ効用の変化→延床面積など立地規模の変化→トラック発生量の変化 という因果関係をSample Selection Model (Tobit type II)を用いて表現する手法の開発にも着手し,年度末には相当の成果を得るに至った.その結果は平成28年度に海外学会で発表予定である. その他,第5回調査結果を元に,東京都市圏の物流施設の立地傾向に関する集計分析や,そのビジュアル化に着手し,種々の雑誌等への原稿投稿をなし得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
空間相関を考慮した物流施設の立地選択モデルの検討結果は,平成27年度中に,土木学会論文集論文として掲載されるに至った.また,当初予定していなかった,第5回東京都市圏物資流動調査のトラックプローブデータを用いた,「物流施設立地量とトラック発生量」の関連性を分析するアイデアに至り,関連する分析が順調に進展しているのは予想外の成果であった.また,第4回と第5回の調査結果の二時点比較では,比較的明瞭な立地件数変化を説明可能な重回帰モデルも推定することが可能となり,大きな支障なく,当初の予想以上に研究が発展している.
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Strategy for Future Research Activity |
物流施設立地量とトラック発生量」の関連性分析は,地方自治体にとり,都市計画や交通計画策定の上で極めて重要な情報となる.現在,新たなトラックプローブデータの収集に取り組んでおり,平成27年度以上の高精度のデータを利したモデル解析を目論んでいる. さらには,共同研究を行っている,イリノイ州立大学のKawamura准教授,Sakai氏らの成果も順調に推移しているので,平成28年度中の,意見交換を意図した合同研究会を東京かシカゴで開催することを想定している.
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Causes of Carryover |
少額であり,特段の理由はありません.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の一部に充当したいと思います.
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