2015 Fiscal Year Research-status Report
減退する地方部における立地政策と交通政策の整合的設計による広域生活都市圏の形成
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15K06252
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福山 敬 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30273882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 将司 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70432680)
安藤 朝夫 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80159524)
田村 正文 八戸学院大学, ビジネス学部, 准教授 (80449230)
榊原 弘之 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (90304493)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 都市経済モデル / 地域計画 / 生活不安感 |
Outline of Annual Research Achievements |
人口減少・少子高齢化が続く我が国で,国土のバランスある発展のためには,地方生活圏がその自立性を保つ必要がある.現代市民生活を満足させうる高次生活サービス供給のためには人口30万人程度の中心都市が必要といわれるが,多くの地方都市は近い将来10万人程度の小都市となることが予想されており,縮小過程を前提としたうえでこれら既存地方都市中心都市をコアとしたより広域のネットワーク型生活自立圏の形成が必要不可欠である.本研究では,この我が国の未曽有の国土問題に対して,地方生活圏での住民のくらしを確保していくための方策について理論的実証的に分析する. 本研究では,まず,山陰地方およびその周辺中山間地域の居住者を対象としたウェブアンケート調査により,生活不安感の要因を共分散構造分析等の統計分析を用いて明らかにした.生活不安感は,「辺偶性」,「活動による充実感」,「世帯の移動可能性」,「世帯外とのつながり」から成っており,特に,辺偶性(いなか)による世帯外とのつながりの希薄化による生活不安感の減少を,世帯の自家用車移動等の「世帯の移動可能性」が補完していることがわかり,よって,高齢化・独居化等の進行により自家用車運転など世帯内での外出移動の可能性が下がることは,ひいては,外部とのつながり(コミュニティ)の退化を通じて生活不安感を上げてしまう構造が明らかとなった.また,都市経済モデルを用いて理論研究を実施した.これは,鳥取市都市圏を対象とした応用都市経済モデル(CUEモデル)の構築という実証研究である.トリップデータ等利用可能なデータに制限のある特例市規模の中小都市を対象とした応用都市経済モデルの開発に成功し,その利用可能性を鳥取西道路整備効果などのシミュレーションにより示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究レビュー」および「地方都市モデルの構築」を計画していたが,共に実施でき,特に後者に関しては学会発表並びに審査付き論文として公表できている.また,地方生活圏居住者の不安感の要因分析も実施できた.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,これまで構築した地方都市経済モデルを拡張することで,居住地移動や買い物難民の増加など,人口減少等によって引き起こされる地方生活圏の社会経済問題を分析する.また,立地誘導政策など,これら問題に対する施策のシミューレーション等を通じた評価を行う予定である.
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Causes of Carryover |
年度の後半に,分担者が急病で入院・手術となったため研究集会への参加等の研究活動の一部が実施変更・実施取りやめとなったため.なお,当該分担者の術後は良好で,通常業務に戻っており,本研究への復帰もすでに果たしている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未実施先送りとなった研究集会等の研究活動をすべて今年度に実施する予定である.
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Research Products
(11 results)