2015 Fiscal Year Research-status Report
文化的景観保全を核としたソーシャルイノベーション・システムの構築
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15K06256
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 尚人 熊本大学, 政策創造研究教育センター, 准教授 (60311742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 武男 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 研究員 (20414427)
竹内 裕希子 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (40447941)
寺村 淳 大分大学, 経済学部, 講師 (70728138) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地方創生 / イノベーション / 文化的景観 / 持続可能 / 地域システム / コミュニティ / 社会技術 / 参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,文化的景観保全を核に,地域環境に即したソーシャルイノベーションを起こすことができる持続可能な地域システムを,多様な主体が参加して構築することを目的としている.ここでは「ソーシャルイノベーション」を,地域創生に資するような,地域コミュニティの構成員が自分たちで能動的に,地域に見合った適切な社会変革を駆動させていく,小さな発見や仕組みづくりの社会技術を指す.そのため,A:地域の本質的価値を発見(再発見)する参加型まち歩き手法,B:多様な専門性,異分野のステークホルダーが協働するためのネットワーク,C:ソーシャルイノベーションを起こすことができる人材育成プログラムを組み合わせ,地域アイデンティティを自立的に育む持続可能な地域システムとして構築する. 平成27年度は,まず持続可能な地域システム構築のために,まずB:多様な専門性,異分野のステークホルダーが協働するためのネットワークを構築した.具体的には,研究代表者が市職員を対象とした政策立案研修を担当している菊池市において,菊地市役所職員,地域おこし協力隊,科研費研究者メンバーの三者が菊地の公共的課題解決を議論するワークショップの場を二度持った.その後,A:地域の本質的価値を発見(再発見)する参加型まち歩き手法として,各専門家に「水」,「歴史」「生態系」「農業」「防災」などに特化したまち歩きプログラム,フットパスコースを提案するため,基礎調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費メンバーと適切な情報共有がなされ,良好なチームビルディングがなされたため.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は,これまで研究代表者らが文化的景観保全に努めてきた地域であり,平成28年熊本地震により甚大な被害を受けた地域,それほど被害をうけていない地域を比較しながら,C:ソーシャルイノベーションを起こすことができる人材育成プログラムを開発する.また,実践の場として閉校となった小学校や遊休公共施設利用なども検討し,文化的景観保全,ソーシャルイノベーションの「学び舎」とする. 研究対象地は,(1)白糸台地地区は中山間地域の農村景観,棚田景観,(2)﨑津・今富地区は漁村と農村の景観,(3)三角西港地区は近代化遺産を核とした港湾景観,(4)阿蘇地域は基礎自治体を越えた広域な文化的景観選定を目指す.
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Causes of Carryover |
フットパスコースを実際に歩いて,意見交換を行う第2回研究会を予定していたが,第1回研究会にて,平成27年度は該当弛の基礎データ収集にとどめておく方が適切であると判断したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度当初に,フットパスを含む第1回研究会を計画していたが,平成28年熊本地震により,復興まちづくりに対するイノベーション技術適用,また災害に強い社会システム構築を目指すため,前年度の未使用額を有益に使用したい.
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Research Products
(7 results)