2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K06259
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森本 章倫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30239686)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 次世代路面電車 / 交通需要予測 / 交通土地利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代公共交通(LRT)導入による車線数の減少は、道路交通渋滞を引き起こす可能性がある。そこで本年度は栃木県宇都宮市・芳賀町を対象に、自動車からLRTへの交通手段転換率をシナリオとして外生的に与えた上で、特にLRTの導入に伴う道路容量の減少およびLRTへの転換による自動車交通量の減少の2点に着目する.自動車からLRTへの交通手段転換が道路交通へ及ぼす影響について時系列で比較する点に特徴がある. 本研究は、1)道路ネットワーク・ゾーンの設定とOD表の作成、2)配分交通量の現況再現、3)ネットワークへのLRTおよびバス路線の導入、4)LRT導入フェーズおよび転換シナリオの作成、5)転換交通量の転換についての分析の手順で行う。特に、それぞれの導入フェーズおよび利用シナリオごとに配分交通量の予測を行い、現況との周辺道路における交通量および混雑率の変化を分析した. 分析の結果、激しい混雑が発生した区間において、開業後の各シナリオにおける混雑率は現況と比較すると箇所によっては悪化するものの、混雑率の変化としては重大ではなく、全体として渋滞の悪化は限定的であった.また、LRTの利用増加によって、新たに深刻な混雑が発生する地点は局地的にも観測されなかった. また、混雑は開業後よりむしろ事業中において最も深刻となることが明らかとなった.そのため、事業期間中において交通の誘導、信号処理、公共交通サービスの提供などの対策を適切に実行することが重要となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度中に宇都宮市ではLRT導入に係る都市計画決定がなされ、軌道運送高度化実施計画の国土交通大臣認定を受けた。それを受けて道路交通に係る市民の注目度もあがり、宇都宮市でも独自の渋滞予測を実施している。本研究は市の計画に加えて、複数の導入シナリオでの渋滞予測を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は研究成果を踏まえた各種対策について行政機関に向けた提言を行う予定である。一方で、市民合意における行政連携が必要であり、研究成果の公表については細心の注意が必要である。研究成果のPRとその効果測定については、他市での検討も含めて総合的な視点で進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初購入予定のソフトウェアを研究室内の別予算で購入したため残額が発生した
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度中に実施するソフトの更新費、海外を含む研究成果の発表に要する旅費等で使用予定である。また研究最終年度として3か年の資料整理等の人件費に利用する。
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