2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K06264
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
塚本 直幸 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (20247878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Perry 史子 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (10238719)
吉川 耕司 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (80220599)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 交通計画 / 公共交通 / 路面電車 / LRT / 地域変遷 / 地域都市分析 / フランス / 社会的合意形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究課題と課題毎に得られた成果の概要について述べる。 (1)国内都市の路面電車の有無と沿線地域特性の分析……国内の中程度の人口規模(おおむね15万人~100万人)を有する50都市程度を抽出して、路面電車の有無を外的基準としてモデル分析を行い、沿線地域特性を分析する。沿線土地利用等のミクロな分析を行うために、土地利用図、航空写真等から沿線土地利用データを収集した。収集されたデータに基づいてモデル分析を実施している所である。 (2)沿線地域変遷と路面電車需要特性変化の分析……平成26年度10月に実施した阪堺電車利用客アンケート調査結果から、阪堺電車の利用状況、阪堺電車に対する広報の評価、および利用者属性(個人属性、居住地、トリップ目的等)を説明変数として集計分析、比率の有意性検定、数量化Ⅱ類分析により、阪堺電車需要量の要因分析を行った。また沿線地域の商業開発との関連性について分析した。 (3)フランス諸都市のデータ収集……フランスでLRTが開通した28都市(平成26年10月現在)と類似の都市規模で未整備の都市、合計40都市程度を選定した。公共交通整備の経過年数に応じた地域への波及効果の違い、また特に大きな交通整備を行わなかった都市と比較する、という観点からこのようなグループ分けを行っている。これらの都市について主要な都市データの収集を行った。また、フランスで3都市の現地ヒアリング調査を行い、開通前後の対比が可能な情報・データや、都市内の地区データや計画関連情報等を収集した。なお、参考として、スペインにおける事例も有用と考え、担当者ヒアリングも含めて現地調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅れの内容は2点ある。ひとつは、妥当なモデル分析結果が十分に得られていないこと、もうひとつはフランス都市関連データの収集が十分に進んでいないことである。 モデル分析については、使用する指標の見直し(集計単位の見直しを含む)や妥当なモデルのパラメータ値が出るまでのトライアンドエラーの不十分さが挙げられる。トライアンドエラーを繰り返すことで、統計的にも妥当な結果を得た上で、モデル分析結果の解釈に入りたい。 フランス都市関連データについては、当初見込みよりも一般に公表されている指標が少ないことが明確になった。わが国の指定統計のようにフランス全国一律の統計調査は少なく、また各市独自の調査は一般には公開されていないこともあり、収集に苦慮している。各都市担当者と直接コンタクトを取る、収集すべき指標を見直す等の対応を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
特にフランス諸都市の各種社会経済指標の収集は当初考えていたよりも容易ではないため、研究計画を以下の点で変更する予定である。 (1)収集する指標の見直し…きわめて困難と考えられる指標を除外して、その他の社会経済交通等の指標を収集して分析できるモデルについて考察し、それに沿った形でデータを収集することとする。 (2)現地データ収集の先送り…研究は3年度にわたって行う予定であり、2年度目に大々的なデータ収集を行う予定であったが、データの有無や収集の難易をもう少し見極めて、場合によっては現地データ収集を3年度目に先送りすることも考える。
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