2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K06264
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
塚本 直幸 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (20247878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Perry 史子 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (10238719)
吉川 耕司 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (80220599)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 土木工学 / 都市交通計画 / 公共交通計画 / 路面電車 / LRT / 都市景観 / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、路面公共交通中でも路面電車の運行が、沿線地域の社会、経済等の活動にどのような影響を与えたかを実証的に明らかにしようとするものである。具体的には、沿線土地利用、商業の発達、都市景観面への寄与、地方行政における社会的合意形成や社会的融合等への影響である。 平成29年度は主に以下の2点を実施した。 1.路面電車沿線の土地利用、商業施設分布状況の実証的分析 全国13の路面電車通過地方都市と社会的・経済的に同規模の16の県庁所在土地を対象として、路面電車・主要道路沿線の商業的土地利用の比較を行い、路面電車の有無が沿線商業的土地利用に影響を与えているかどうかについて考察した。また、その内、路面電車運行都市において、業種別商業立地状況について、道路、鉄道駅、地方鉄道沿線、路面電車沿線の立地環境要因別に分析した。いずれも、GISベースで分析し、路面電車が沿線土地利用や商業立地にどのような影響を与えたかを定量的に把握した。路面電車の有無が、商業発達に寄与していることを明らかにできた。 2.都市景観構成要素としてのLRT施設のデザイン特性に関する分析 これまで本科研での現地調査の中で収集してきたフランス、スペイン等数十都市のトラム関連施設(停留所、架線、軌道、付属施設等)について、都市景観の中にそれら施設のデザイン特性を位置づけ、歴史的経緯や周辺環境等との関連から分類して考察した。また、これらLRT特有のデザインが、歩行者空間の上質化(安全性、心地よさ、わかりやすさ、バリアフリー、美しさ、周遊性、都市のシンボル性等)に大きく寄与していることを定性的に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016、2017年度に、フランス、スペインで追加の現地調査や行政の交通計画担当者へのヒアリングを実施する予定であったが、治安上の問題から現地調査を延期した。その間、国内でできること(国内路面電車の影響分析および欧州トラムの既存収集データの分類、分析、考察)を実施した。 科研調査期間を1年延長し、2019年度に遅れた分を回復する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
送れていた追加現地調査、行政の都市交通計画担当者へのヒアリングを実施し、本研究のメインの課題である路面公共交通(路面電車)が整備されたことによって、沿線地域の社会や経済がどのように変化したかについて結論を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
2017年度中に、フランス、スペインで追加の現地調査や行政の交通計画担当者へのヒアリングを実施する予定であった。経費の大部分は、渡航費、通訳費、現地での資料収集費である。ところが、フランス、スペインともテロ等治安上の問題から現地調査を延期した。その結果、未使用額が発生したものである。 2018年度の9月にスペイン、フランスへ追加調査、ヒアリングに出かける予定であり、現在準備中である。現地調査のための渡航費、通訳費等に残った予算をほぼ使う予定である。
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