2015 Fiscal Year Research-status Report
循環資材における環境安全性のばらつきの定量化とリスク管理手法の提案
Project/Area Number |
15K06273
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
水谷 聡 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (80283654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 智司 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特任准教授(テニュアトラック) (30748934)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 都市ごみ溶融スラグ / ガス化溶融炉 / 鉛 / ばらつき / サンプリング |
Outline of Annual Research Achievements |
国内で稼働している都市ごみ溶融施設の中から,2010年に運転を開始した流動床式ガス化溶融炉を対象施設とし,連続36日間のスラグ試料のサンプリングを行った。また2日間にわたり,時間変動調査として2時間ごとに6回の試料サンプリングも行った。このように得た試料に対してJIS K 0058-2で規定されている含有量試験を行い,スラグ中の鉛含有量の分析誤差,同一日に採取した試料(インクリメント)内での変動,毎週1回採取した場合の変動(週間変動)と36日間での変動を把握した。同一試料をICP発光分光分析によって10回繰り返し分析した時の変動係数は4.2%,同一インクリメントから分取した10検体の分析試料の鉛含有量の変動係数は6.9%であった。インクリメント内の変動は分析誤差とほぼ同レベルであり,筆者らが2006~08年度に行った国内稼働施設での調査に見られたような,突発的に高い鉛含有量の値は見られず,都市ごみ溶融スラグの性状は安定しているものと思われた。同一日の2時間ごとの時間変動の変動係数は13~24%,36日間の変動係数は23%でほぼ同レベルであった。また採取曜日ごとの含有量のばらつきについても検討した。曜日ごとのばらつきには幅が見られたものの,特定の曜日の含有量が著しく高いなどの傾向は見られず,いずれの曜日であっても,毎週1回サンプリングした時に得られるデータの変動は,36日間の変動の平均±σの範囲に収まっていたことから,毎週1回のサンプリングを行って1ヶ月間のコンポジット試料として評価すれば,変動を含めた評価が充分に可能になると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
都市ごみ溶融スラグのばらつきについて,36日間のサンプリングを行い,Pb含有量のばらつきを把握した。ばらつきは,過去に実施した値と比較して小さくなっていることを確認できた。ばらつきの把握方法および評価方法,サンプリング手法などについては,他の循環資材にも適用できる目処が付いたことから,順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度は鉄鋼スラグからのフッ素を対象として研究を進める予定であるが,製鋼スラグは試料粒径が大きく,サンプリングや環境安全評価試験の労力が非常に大きいことから,まずは高炉水砕スラグを試料として実験に取り組むこととする。その後,製鋼スラグにも範囲を広げて行く予定である。試料を提供して頂く企業とは前向きに調整が進んでいるが,結果の公表に関して未調整の部分があり,そこを詰めていく必要がある。
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Research Products
(8 results)