2016 Fiscal Year Research-status Report
下水汚泥の嫌気性消化における窒素・リン回収と消化性改善の実証研究
Project/Area Number |
15K06276
|
Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
高島 正信 福井工業大学, 工学部, 教授 (30257498)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 高濃度嫌気性消化 / 下水汚泥 / アンモニアストリッピング / アンモニア阻害 / リン回収 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、下水汚泥の嫌気性消化において、主要栄養素である窒素およびリンを回収するとともに、消化性(特に汚泥分解とバイオガス生成)の改善を行いながら投入下水汚泥の高濃度化を達成することを目的とする。 前年度は高濃度嫌気性消化(流入TS約15%まで)におけるアンモニア阻害軽減と窒素回収について検討した。本年度は流入TS濃度を約20%まで増加させても、おおむね良好な嫌気性消化が可能なことを確認できた。またこの際、嫌気性消化汚泥の粘度が増し、アンモニアストリッピング効率も低いままであったので、消化汚泥の後処理として130℃、1時間の加熱処理する方法も実施したところ、改善が認められた。一方では、これほどの超高濃度になると消化汚泥の脱水ができなくなり、この点を含めた汚泥処理としての評価を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
流入下水汚泥TS約20%までにおいて、ガス発生、汚泥分解、汚泥粘度など消化性の改善、およびアンモニアストリッピングによる窒素除去・回収については検討が可能であった。小規模実験装置においては、汚泥流動性の観点から、この濃度が実質的に上限であると考えられた。以上より、進捗状況はおおむね順調である。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度はリン回収についても検討を開始する。リンは、マグネシウムを加えてリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)を形成させる分離方法により回収する。そして、消化汚泥からの窒素・リンの2元素除去・回収を目指す。
|
Causes of Carryover |
人件費において依頼した方の体調不良により余りが生じたからである。また、次年度の計画外出費を予定したからである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越しと次年度予算を合わせて、備品(コンピューター)と海外学会参加(中国および米国)に使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)