2015 Fiscal Year Research-status Report
廃棄物と副産物を効果的に有効活用した安定的なコンクリート用再生混和材の開発研究
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15K06317
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| Research Institution | Gifu National College of Technology |
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Principal Investigator |
犬飼 利嗣 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30548326)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | スラッジ / フライアッシュ / 混和材 / 有効活用 / ジオポリマー / メタけい酸ナトリウム / 水酸化ナトリウム / 活性度 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，コンクリートスラッジ(以下，単にスラッジという)を実用的に有効利用する試みの一つとして，模擬乾燥スラッジ粉(以下，DSPという)と微粉砕したフライアッシュJISⅡ種(以下，F7という)を原材料とし，添加剤にアルカリ刺激剤を用いた再生混和材について検討している。一方，スラッジやフライアッシュをセメントの代替材として利用する技術として，最近では，非晶質の重縮合体を得るジオポリマーに関する研究が注目されている。
そこで，研究の初年度である平成27年度は，ジオポリマーのアルミナシリカ粉末(活性フィラー)とアルカリシリカ溶液の反応に着目し，メタけい酸ナトリウム(以下，NSという)を添加剤とした再生混和材の活性度の改善効果に関する実験を試みた。その結果，水溶液としたNSの濃度が極端に低い0.2mol/L以下の範囲では，普通ポルトランドセメントの内割で25％置換したF7に対するDSPの外割混合率が増加すると，圧縮強さは緩やかに減少する傾向にはあるものの大きな変化はみられないことを検証した。また，その一方で，水溶液としたNSの濃度が極端に高い2.0～3.0mol/Lの範囲では，F7に対するDSPの内割混合率の増加にともない圧縮強さは減少傾向にはあるものの，普通ポルトランドセメントを全く使用せず常温で約25～50N/mm2の圧縮強さを得ることを検証した。DSPの混入率や添加剤に関するより詳細な検討は必要ではあるが，普通ポルトランドセメントと同等の圧縮強さを得る再生混和材の実現性を示唆できたと考えている。
このように，本研究で提案するスラッジやフライアッシュの活性度の改善手法を用いれば，普通ポルトランドセメントと同等の圧縮強さを得る再生混和材を実現することも可能である。したがって，実用面での意義は大きく，スラッジやフライアッシュをコンクリート用混和材として大量に有効活用することが可能となる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では，研究期間は5年間を予定しており，研究の初年度と2年目である平成27，28年度の目的は，模擬乾燥スラッジ粉とその他の添加剤(材)の組合せによる，良好かつ安定的なフライアッシュの活性度の改善手法について検討することにある。DSPの混入率や添加剤に関してより詳細に検討することを課題として残しているが，モルタル供試体で普通ポルトランドセメントを全く使用せず，常温で約25～50N/mm2の圧縮強さを実現しており，スラッジやフライアッシュをコンクリート用混和材として大量に有効活用できることを示唆している。
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| Strategy for Future Research Activity |
研究の初年度である平成27年度は，スラッジやフライアッシュをコンクリート用混和材として大量に使用することが可能な活性度の改善手法について検討した。しかし，DSPの混入率や添加剤に関してより詳細に検討することを課題として残しており，これを整理することが研究の2年目である平成28年度の主な目的である。また，本研究の最終目的は，廃棄物と副産物を効果的に有効活用した安定的なコンクリート用再生混和材の開発と実用化にある。したがって，今後は，スラッジやフライアッシュ，および添加剤(材)の効果的かつ安定的な適用方法について詳細に検討するとともに，再生混和材の開発に向けた添加剤(材)の添加ならびに混合方法についても検討する。また，開発する再生混和材を用いたコンクリート硬化体を製作し，再生混和材を使用したコンクリートの施工性や耐久性(中性化，塩害，凍害)の検証を実施する。さらには再生混和材の実用化に向け，バリエーションだけではなくコスト面も踏まえた適用方法の提案と総合的な評価も実施する。
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