2016 Fiscal Year Research-status Report
運動量流束とフルード数の有界性に着目した建築物への津波作用外力の評価に関する研究
Project/Area Number |
15K06318
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Research Institution | Nagoya Industrial Science Research Institute |
Principal Investigator |
松井 徹哉 公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (70023083)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 津波設計外力 / 数値流体力学モデル / 津波遡上シミュレーション / 津波流況シミュレーション / 浅水長波理論 / VOF法 / 津波先端部衝突力 / 抗力 |
Outline of Annual Research Achievements |
津波浸水想定区域に建設される建築物の構造設計や津波避難ビルとしての認定を行うには,津波外力の適切な評価が不可欠である。本研究では,運動量流束とフルード数の有界性に着目した津波外力の新たな評価式を提案し,その妥当性を数値流体力学モデルに基づくシミュレーション解析により検証することを目的としている。 具体的には,(1)2次元浅水長波理論に基づき,波源から陸上の観測点に至る広域の津波伝搬・遡上シミュレーションを実施することにより,運動量流束とフルード数の有界性の仮説を検証するためのデータ(流速,浸水深)を集積すること,(2)3次元VOF(Volume of Fluid)法による建築物周りの津波流況シミュレーションを行い,提案した津波外力評価式の妥当性を検証するためのデータ(津波流体圧,津波流体力)を取得すること,の2つを達成目標としている。 平成27年度(初年度)には,シミュレーション解析に用いる数値流体解析プログラムの開発に重点的に取り組み,オープンソース(OpenFOAM)を用いた3次元VOF法による建築物周りの津波流況シミュレーションのプログラムを構築するとともに,ゲート急開実験のシミュレーションに適用してその有効性を確認した。さらに並行して,津波伝搬・遡上シミュレーションに用いる波源モデルおよび地形データ(水深,標高),祖度データ,堤防データなどの地理データベースの整備を行った。 平成28年度には,2次元浅水長波理論に基づく津波伝搬・遡上シミュレーションのプログラムの完成を目標としたが,所有する市販の流体解析ソフトウェアの適用範囲に制限があることが判明し,自作のプログラムを開発する必要性が生じたために,開発に予想外の時間を要し,完成には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2次元浅水長波理論に基づく津波伝搬・遡上シミュレーションのプログラムの完成を本年度内の達成目標としていたが,所有する市販の流体解析ソフトウェアの適用範囲に制限があることが判明し,自作のプログラムを開発する必要性が生じたために,開発に予想外の時間を要し,完成には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている津波伝搬・遡上シミュレーションのプログラムの完成を急ぐとともに,当初の研究実施計画に従って,研究のペースを加速する。
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Causes of Carryover |
執行額に端数が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用計画に繰り越す。
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