2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K06320
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
郡 公子 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20153504)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ファサード / ダブルスキン / エアフローウィンドウ / 自然換気 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)窓システムの事例収集:ダブルスキン、エアフローウィンドウ(AFW)の設計事例とその実測による評価事例を収集した。ダブルスキンに関してはLow-E複層ガラスを使用することが一般化し、AFWについてはLow-E複層ガラスを使用する高性能ビルが存在する。数値計算結果との照合に使用可能な窓内温度性状の実測事例の収集・検討も行った。 (2)自然換気併用空調の事例収集:日本建築学会、空気調和・衛生工学会に発表された論文、梗概を調査し、自然換気併用空調を採用する建築の評価事例を収集し、自然換気の計画法、自然換気口の形状、自然換気の各種許可条件、運用法の実態を把握した。自然換気を許可する外気温度や下限室温はやや高めの設定としてファサード側の室温の過剰低下を抑制する傾向にあることが明らかになった。 (3)窓システム、自然換気併用空調の傾向把握と研究対象システムの確認:最近の環境建築のなかには、ダブルスキン、AFWなどの高性能窓システムの他、Low-E複層ガラスなどを使用する一般窓と日除けの併用ファサードも多く、これらのガラスファサードを検討対象とすることにした。自然換気は非常に多く採用される環境配慮手法であるといえる。地域により最適な運用法が異なると予想され、これを明らかにする必要がある。また、自然換気を利用できない時期に行う外気冷房、暖房を不要とするためにファサードの断熱性向上とともに必要となる全熱交換器の併用効果を評価可能とすることが重要と判断された。以上の検討結果をもとに、自然換気と外気冷房・最小外気制御・全熱交を併用する空調システムを研究対象とすることにした。 (4)高性能ファサードの基本的な性能評価:高性能窓システムや自然換気可能なファサードをもつ建築の省エネルギー効果と室内環境の改善効果の数値計算を行い、基本的な性能評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた研究項目の全てについての検討を実施でき、次年度に向けて研究目標を絞り込むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度に引き続き、高性能窓システム、自然換気併用空調を導入する建築の数値解析を行い、地域性を考慮した設計法、運用法を追求するとともに、外気冷房、最小外気制御、全熱交換器による熱回収方式と自然換気を併用するケースの熱負荷・熱環境の実用的な計算法を考案する。
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Causes of Carryover |
当初計画していたモノクロ複合機の購入を次年度購入に変更した。今年度は、不便ながら既存のプリンターとスキャナーでしのぎ、最新機種を次年度に購入する計画に変更したため。また、複合機に付随する消耗品も次年度に購入することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度はじめに計画したモノクロ複合機と付随する消耗品の購入を2016年度に執行する。
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