2016 Fiscal Year Research-status Report
既存中・小規模建築物におけるセントラル空調システム効率向上のためのシステム開発
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15K06327
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
尹 奎英 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (80437079)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有効性検証 / 蓄熱効率向上 / 実験装置構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
・提案システムの有効性検証:これまでは冷温水二次ポンプを含んだ熱源システムのみを対象にシステムの有効性を検討した。今年度は室モデルを含む空調二次側システムまでを検討対象として空調システム全体をシミュレーションした。簡易蓄熱槽の設定による送水温度の低下は室内熱環境や空気搬送動力の増大を引き起こす懸念があったが、検討の結果、室内熱環境への影響及び空気搬送動力の増大は確認されなかった。本研究で対象としているモデル建物のように暖房時低負荷が発生する建物においては同様の結果が予想されている。 ・簡易蓄熱槽の詳細設計:PCMの配置を、これまでに縦にしていたものを横配置にして簡易蓄熱槽内の温度成層が形成されやすくした。横配置に変更したことにより、最大で約4%の蓄熱効率上昇が期待される結果が得られた。 ・簡易蓄熱槽の実測実験装置の構築:大学構内の施設を一部転用して実験装置を構築した。既存施設を一部転用することにより、設置コストを大幅に減らした。循環水の流量は最大で200㍑/minに運転でき、蓄熱槽の実験に適した仕様となっている。また、実験装置に装着されている切替バルブの開閉により、通常の空調機としての運用できる。このことから、提案システムの実装実験もできる環境を構築できた。 ・簡易蓄熱槽の実測実験装置を用いた予備実験:上記の実験装置を用いて本実験のための予備実験を行った。温水の送水温度を50℃に設定し蓄熱運転を行ったのちに冷房運転に切り替え後、簡易蓄熱槽からの戻り水温が45℃になるまで放熱運転を行った。予備実験は正常に実施でき、本実験のための準備は整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置の構築に予想以上に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験装置の構築に時間がかかり、半期程度の遅れた発生した。しかし、構築ずみの実験装置を用いることで、実装実験も可能な仕様にできたため、最終年度である平成29年度の課題推進は当初の計画に比べて短期間で可能と見込んでいる。
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Causes of Carryover |
物品の価格変動により残額が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品購入費に充てる。
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