2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Energy Efficiency of HVAC System for Small or Middle Scale Existing Building
Project/Area Number |
15K06327
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
尹 奎英 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (80437079)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 既存ビル省エネ / 簡易蓄熱槽 / 数値解析モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
実寸大の簡易蓄熱槽を設置してその蓄放熱に関する振る舞いを実測実験により明らかにした。簡易蓄熱槽には蓄熱量の増大や整流効果を狙い、複数枚の板状のPCMを挿入している。このPCMを設置したことによる簡易蓄熱槽の蓄放熱性能及び循環流量を変化させたときの蓄放熱性能への影響を確認した。 また、数値解析モデルを構築して、実測実験時の簡易蓄熱槽の振る舞いを再現した。実測実験結果と数値解析結果を比較し、構築した数値解析モデルの精度を確認した。構築したモデルは、簡易蓄熱槽の蓄放熱の振る舞いを精度よく再現でき、蓄放熱量の比較で約5%以内の誤差で再現できることを確認した。 さらに、数値解析モデルとシステムシミュレーションツールを連成させて空調システム全体のエネルギーシミュレーションを行った。その結果、本研究で提案している省エネルギー手法の有効性を確認でき、その省エネルギー効果を定量的に示すことができた。 上記の研究成果について、平成29年度の日本建築学会大会、空気調和・衛生工学会大会、日本建築学会東海支部学術発表会にて成果発表を行った。また、平成30年度の国内開催の2つの学術大会に2編、国際会議(Asim2018・Honkong)に論文を投稿し、発表予定である。 上記の研究成果は、本研究で提案した簡易蓄熱槽を設置して行う省エネルギー手法の有効性を確かめたことと今後の展開に資する数値解析モデルを構築できたことに大きな意義があり、さらに、今後の研究活動において、基盤となる土台を作ることができた点で非常に価値の高いものである。 今後は、本提案の省エネルギー手法について、設計・運用指針を取りまとめる予定である。また、それらをもとに実際システムへ適用を通して実践的な知見を蓄積し、普及拡大に努める。既存ビルの空調エネルギーの省エネ化に向けてこれらの研究活動を広く周知、本提案の普及活動を行っていく予定である。
|