2017 Fiscal Year Research-status Report
透析室における患者と医療スタッフの快適性に関する研究
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15K06332
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
堤 仁美 昭和女子大学, 生活科学部, 講師 (00409690)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医療福祉施設 / 温熱環境 / 快適性 |
Outline of Annual Research Achievements |
透析患者は、貧血や血行不良により健康者に比べ体感温度が低くなったり、末梢神経障害により温冷感が鈍化しているため、同じ室内において健康で活動量の高い医療スタッフとの間で快適性の差が生まれやすいと考えられる。そのため、患者・医療スタッフともに環境に対する不満・不快感を抱えているのが現状である。本研究では、天井放射冷暖房システムを設備した透析室を対象とし、温熱環境実測・快適性調査などを通して、透析患者、医療スタッフ各々の快適範囲を明確化し、健康で快適な病院建築環境基準の提案を行うことを目的としている。平成29年度は、以下のような研究を実施した。 (1) 透析室における実測調査結果の解析:透析室において実施した実測調査の結果を各季節ごとにまとめた。 (2) 患者・医療スタッフの着衣量測定:実測及びその後の解析の中で、患者の布団のかけ方による着衣量の違い、スタッフの業務による着衣量の差などが快適性に影響を及ぼしている可能性が考えられた。そこで、患者・医療スタッフの着衣量を測定した。また、患者の布団のかけ方について、実測時によく見られたかけ方の条件を複数設定し、それぞれの条件での患者の着衣量の測定を行った。 (3) CFDによる透析室の温熱環境:CFDによる透析室の温熱環境の再現を行った。冬季における温熱環境測定結果及びベッドや機器の使用状況について、実測時の状況を入力することで、冬季における室内の温度分布等を詳細に再現することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で実施した実測結果をもとに新たな測定を加え、患者・医療スタッフの快適性の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
実測調査や実験などH29年度まで実施した結果をまとめ、天井放射冷暖房システムを持つ透析室における患者と医療スタッフの快適域の検討を行う。本研究成果は、体温調節や温冷感が鈍化した患者のいる医療福祉施設の温熱環境設計基準の基礎データとなることが期待される。
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Causes of Carryover |
実測及びその後の解析の中で、患者の布団のかけ方、電気毛布使用による着衣量の違い、スタッフの業務による着衣量の差などが快適性に影響を及ぼしている可能性が考えられた。そこで、様々な条件における患者・スタッフの着衣量測定およびそのデータを用いた快適域の検討を実施するため、研究期間の延長を希望した。 次年度は、今年度に引き続き解析ソフト、実験機器の購入などに使用する予定である。
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Research Products
(5 results)