2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K06341
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
森原 崇 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10413767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 泰尚 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90322023)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 北陸新幹線鉄道 / 騒音 / 振動 / 社会調査 / 相乗効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は予定通り,北陸新幹線鉄道沿線地区において生活環境に関するアンケート調査を実施した。当初は石川県でのみ実施する計画であったが,貴重な機会であるため,本校からも補助を得て富山県でも実施することにした。1,980件を抽出し,配布回収を試みた結果,1,025件の回答が得られ,回収率51.8%という結果を得た。近年の状況を見れば高い回収率を得られたと考えている。この貴重なデータは本事業でとどまらず,社会調査データアーカイブにもいずれ保管して2時分析等にも活用して貰う予定である。集計結果から,住宅の窓仕様が約20年を境に変化していることを確認した。住宅満足度や地域好感度は全体的には事前調査時の結果と変わらない結果であったが,新幹線鉄道からの距離によって静けさ評価が異なるなど,全体評価と距離との対応関係も今後検討する必要があることを確認した。物理量の調査はアンケート結果に影響を及ぼさないよう,年度内には行わず次年度に持ち越すこととした。 もう一つの計画案にあった,騒音と振動の相乗効果に関する実験も併せて行った。やかましさや振動の知覚に関しては,相互に影響を及ぼす傾向は見られず個別の評価として得られていることを確認できた。妨害感に関しては,読書と計算ともに騒音刺激70dBという高い騒音レベル環境下では振動による相乗効果は見られなかったが,読書では騒音刺激50dBと60dB,計算では50dBの環境下において振動なしよりも振動75dBを提示した方が妨害感は高く,相乗効果が生じることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画Ⅰの方は社会調査を予定通り終えたが,各住宅の曝露量推計にまで至っていない。最終年度の早々に調査を実施する予定である。 計画2の方は予定通り実施した。 以上より,概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は6月に騒音および振動の物理測定を実施し,各住宅の騒音・振動曝露量を推計する予定である。実測には人員が必要であるため,共同研究者と研究協力者と連携しながら効率よく実施する。実測結果を元に,アンケート調査との関係を検討し,曝露ー反応関係を導くと共に事前調査との比較により,北陸新幹線鉄道の開通に伴う影響について検討する。 実験については,騒音と振動の相乗効果として提示刺激の組み合わせや作業妨害について改良しながら進めていく。 最終的には研究成果を学会で発表し,次年度以降の研究計画を立てる。
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Causes of Carryover |
当該年度に実施予定であった騒音・振動の実測調査を次年度に持ち越したため,分担者の旅費が予定より少なくなり,差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度は早々に実測調査を行うため,差が生じた分の旅費等が計上される見込みである。またその分の成果報告もなされるため研究発表会等への参加に伴う旅費が使用される予定である。
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Research Products
(4 results)