2016 Fiscal Year Research-status Report
都市計画的課題と向き合う復興まちづくり支援の可能性と課題
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15K06344
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北原 啓司 弘前大学, 教育学部, 教授 (30177860)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | まち育て / エリアマネジメント / 集団移転 / 居住禁止区域 / コンパクトシティ / 立地適正化計画 / 復興計画 / 参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.復興まちづくりにおけるコンパクトシティ推進実態の把握:国土交通省東北地方整備局コンパクトシティ推進研究会のご協力により、東北地方各都市のコンパクトシティ推進施策および立地適正化計画の策定動向を調べ、その中で、石巻市、大船渡市、宮古市等の復興まちづくりの動向を明らかにして、計画担当者との意見交換を実施した。特に、各都市は、復興庁の補助による復興計画の実施期限が、迫ってくる中で、立地適正化計画を策定することの困難さを言及しているものの、実施に推進している復興計画そのものが、実は立地適正化計画と同じプロセスを辿っていることに気づいており、それを国土交通省の担当部局にも伝えて、立地適正化計画を簡便に提出することの必要性と可能性についても、議論することができた。 2.防災集団移転跡地のマネジメントに関する実態調査:大船渡駅周辺地区におけるエリアマネジメントの実態について、市役所担当者、開発主体である、まちづくり会社「キャッセン大船渡」、ビル入居予定者へのヒアリングを実施し、自らの将来の方向性の違う主体が存在する中で、二つの形態で復興まちづくりが進んでいく経緯とその詳細な事業内容について、明らかにすることができた。 3.復興まちづくりにおける「参加」プロセスの推進に関する調査:前年度に引き続き、宮古市庁舎移転に関わる市民参加プロセスの研究調査を実施した。とくに、現庁舎跡地の活用を中心とした市民ワークショップの運営およびその計画への反映プロセスに関わりながら、参加市民や担当職員に対するヒアリング調査を並行して実施した。そこでは、新市庁舎と旧市庁舎跡地とを結ぶ中心商店街に市民が「場所」をつくっていくプロジェクトが実現していくこととなり、その支援をしながら、担当者や市民の中に創発的な事象が生じていくことを明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた都市のヒアリング調査や資料収集は、計画通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
復興まちづくりにおけるコンパクトシティ政策の推進については、前年度までの調査結果や担当者との議論の成果をもとに、国土交通省東北地方整備局コンパクトシティ推進研究会のメンバーとの定期的な議論を実施する。一方で、引き続き大船渡の集団移転跡地のマネジメントに関する実地調査を進めつつ、岩手県、宮城県の被災都市の現段階での跡地利用の実態を総括して、その課題と可能性を明らかにする。 さらに、宮古市庁舎移転に係わる市民ワークショップに引き続き関わることで、復興まちづくりにおける「参加」プロセスの検証をするとともに、石巻市および女川町の市民活動が現実的な復興まちづくりに寄与している状況について、詳細なヒアリング調査を実施する。
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Research Products
(3 results)