2017 Fiscal Year Research-status Report
集約型都市構造に向けた城趾周辺地区の持続的な再生計画と開発手法
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15K06355
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
野嶋 慎二 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (70303360)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 都市再生 / 都市デザイン / 集約化都市 / 土地所有 / 城趾周辺地区 / 景観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、集約型都市構造に向けて、重要な歴史文化的資源及び耐用年数が過ぎて更新が必要な公的施設が数多く存在する、城趾周辺地区の開発手法に着目し、その持続的な再生計画と開発手法に関する知見を得ることを目的としている。本年度は、下記の研究を進めた。 「(4)城趾周辺地区の計画・事業推進手法の現状と効果の分析」として、 ①城址周辺地区の計画においては全国の景観計画における眺望景観に着目して研究を行った。城址周辺地区が景観形成重点区域に指定され、かつ歴史的資源の復元・保全・活用を図っている27都市中、眺望保全を掲げている23都市を対象とした。これらについて文献調査やアンケートにより眺望保全の方針とこれを実現するための規制項目について明らかにした。②城址周辺地区の事業推進方法については、小規模なインフィル型開発に着目して研究を行った。城址周辺地区は、長い歴史の中で土地の権利関係が複雑化している場所もあり、これを開発する方法が必要である。一方、歴史文化を継承あるいは環境を改善しながら良好な開発を行い、段階的に居心地の良い場を埋め込んでいく必要がある。本年度は、先進事例として金沢市のまちなか地区を対象に研究を行った。その結果、「良質なストック形成、コミュニティ活性化、エリアの価値向上、土地利用の転換と集約化」という役割を伴っており、地権者・開発業者・住民が補完しながら開発を行っていることを明らかにした。その成果として次の題名で日本都市計画学会に発表した。「地方都市中心部における小規模住宅団地による居住空間の再構築に関する研究- 金沢市「まちなか住宅団地整備費補助金」を対象として-」
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「(4)城趾周辺地区の計画・事業推進手法の現状と効果の分析」を先行して行い、この研究についてのデータ収集、及び研究成果のまとめに時間がかかってしまったため、「(3)城趾周辺地区における都市空間整備と都市機能の集約化の実態と変遷データベース作成」についての研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.「(3)城趾周辺地区における都市空間整備と都市機能の集約化の実態と変遷データベース作成」を引き続き行う。公的施設の集約化の実態や官民による都市空間整備プロジェクトを調査する。 2.「(5)地区特性に対応した城趾周辺地区の再生手法の提案」を進めていく。 3.国内外の専門家とのディスカッション 上記で得られた、モデルプロジェクトや再生手法について先進的な都市デザインを実践している国内外の専門家とのディスカッションを行い、知見を得る。
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Causes of Carryover |
H29年度の予算については、予算額通りに使用することができたが、H28年度に使用できずに繰り越しした予算額をH30年度に繰り越したいと考えている。 H30年度は研究のまとめとして、全国の対象都市での調査や学会などで国内旅費が必要となり、また英国での専門家とのディスカッションを予定しており、主に旅費が必要となるため、予定通り研究費を使用できると考えている。
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Research Products
(3 results)