2015 Fiscal Year Research-status Report
「利他」的行動分析による郊外住宅地のソーシャルキャピタル醸成に資する地域施設再編
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15K06358
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
横田 隆司 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20182694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 康二 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00403147)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | まちづくり / コミュニティ / 地域施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,住宅地を構成する住宅群と外部空間,近隣商業施設をコミュニティの場として捉え,その整備の方向性を探ること,ならびにそれらの地域施設を地縁的な活動やボランティア・NPO活動の創出拠点として整備し,「利他」的行動を含むソーシャルキャピタルの活動を活性化させるための施設再編計画を立てるための知見を得ることを目的として,以下のような研究を行った。 (1)千里・泉北ニュータウンを対象とした調査:両ニュータウンを対象として人口構造や地域施設の立地状況の経年変化を把握し,両ニュータウンの差異を明らかにした。また,NPOなどソーシャルキャピタルの活動状況を調査し,鉄道駅周辺とそうでない地区での立地状況の差異を明らかにした。両ニュータウンは我が国を代表するニュータウンで,かつ開発後50年を経ていることから,それらに続くニュータウンの今後を占う上でも重要な調査と位置付けられる。次年度以降は,さらに様々なニュータウンを対象として同様の調査を実施し,比較検討することが求められる。 (2)いくつかの他分野の文献を集めて,「利他」的行動の特性を整理した。 (3)その他の地区に対する調査:(1),(2)は申請書に記載した通りの研究実績であるが,それらに加えて次のような2つの調査を併せて実施した。(a)東北地方の震災復興地域において,コミュニティのあり方について調査を行った。なお,これは昨年度までの代表者の科研(B)の継続としても重要であると考えられる。(b)広島県湾岸部のまちづくりを対象として,古民家を再生した拠点を中心としたまちづくりの状況を明らかにした。ニュータウンとは異なる地区でのコミュニティの現状を示したと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した通りの調査研究に加えて,それ以外の地区におけるコミュニティの在り方をも調査しており,順調に研究が進められていると判断されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は大規模ニュータウンを対象としたが,今年度はそれとは規模の小さいニュータウンを対象として,地域施設再編に関わるモデル的研究,地域施設の立地状況や利用状況の把握,人口構造やソーシャルキャピタルの把握という申請書通りに研究を進める予定である。なお,研究は順調に進んでおり,研究計画についての変更はない。
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Causes of Carryover |
旅費として計上していた予定金額よりも下回ったことが次年度使用額が生じた理由の最も大きな要因である。これは,千里・泉北ニュータウンへの調査費用が思ったよりもかからなかったことが大きい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に,さまざまなニュータウンへの調査費用として執行予定である。
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Research Products
(3 results)