担い手と営みの重層性に着目した文化的景観の記述手法とマネジメント手法に関する研究

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K06374
• Research Institution: Osaka City University
• Principal Investigator: 佐久間 康富 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (30367023)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 筒井 一伸 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (50379616)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 文化的景観 / 景観の記述手法 / 維持管理

Outline of Annual Research Achievements

河内長野市の里山景観を中心に7地区の景観を調査した。各地区の景観構成要素を抽出し、特徴を分析した。５つの谷から構成される河内長野市特有の地形と開発された住宅市街地と旧村との対照的な存在が特徴となっていることを明らかにした。
さらに1地区を事例として取り上げ、里山集落に見られる文化的景観の形成を明らかにすることを試みた。具体的には対象集落の景観構成要素と維持管理の関係の変遷を明らかにした。
住民へのインタビュー調査から、対象集落の景観構成要素は面、線、点、無形に分類することができ、景観への関わりには土地に起因するもの、生活に起因するもの、信仰に起因するものに整理できることがわかった。変遷については、林業の衰退や埋葬形式が土葬から火葬に変わったことなどによる集落の仕組みが変化した時期（1955-75年頃）、あまり変化が見られない時期（1975-1995年頃）、景観への関わる担い手がいなくなる時期（1995-2015年頃）に区分でき、集落外の担い手の参画を得ながら維持管理されている状況を明らかにした。
また、以上の結果を地元住民への報告会を通じて還元することができた。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度に予定していた調査を対象地との関係で見合わせたため。

Strategy for Future Research Activity

初年度に予定していた調査を2年度目に実施する。

Causes of Carryover

対象地域の事情で予定していた調査を次年度に実施することとしたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

予定の調査を実施する。