2017 Fiscal Year Annual Research Report
The housing condition of people with disabilities for living independently
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15K06387
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
糟谷 佐紀 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (90411876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 洋介 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70212173)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 障害者 / 地域生活 / 住宅 / 重度身体障害者 / 知的障害者 / 独立世帯形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、障害者の独立世帯形成における住宅条件を明らかにするものである。「脱施設化・地域生活移行」への障害者施策転換以降、公的福祉サービスを利用し、施設や親元から独立することが可能になった。しかし障害者に対する住宅施策は公営住宅のみと乏しく、その戸数も減少傾向にある。2007年以降、住宅確保要配慮者に対する民間賃貸住宅への支援は、入居相談や斡旋にとどまっている。 このような状況下で、住環境に対し最も条件が厳しいと考えられる重度身体障害者に対する居住実態調査から、「自身が取得した持家に家族と」「親の持家に親と」「民間賃貸住宅に単身で」暮らす実態が明らかになった。身体障害者による持家取得の多くは、受障前の購入や事故による生命保険などでの購入によるものであった。その条件を持たない者は親の家か賃貸住宅を選択していることがわかった。 既存賃貸住宅のバリアフリー整備状況を,住宅・土地統計調査の匿名データを用いて所有形態別に把握した。バリアフリーに関する法整備が整った1995年以降の整備率を、それ以前と比較した結果、公営住宅の整備率は非常に高く、民間賃貸住宅ではあまり変化がみられなかった。しかしこの時期に建設された公営住宅は少なく、公営住宅総数も全住宅数の3.8%(2013年)と少ないため、障害者が入居できる可能性は低い。 最終年度は、知的障害者本人に対するアンケート調査を実施し、親との同別居に分けて分析した。その結果、親同居者の年齢層は低く、重度障害が多く、8割程度が無職であった。その多くが親の持家で暮らしていた。一方、親別居者の年齢層は高く、中軽度障害が多く、有職者は4割であった。親別居の8割がグループホームに居住していた。知的障害者の地域移行後の住まいとして、親の家かグループホームの選択肢しかない現状が明らかになった。
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Research Products
(4 results)