2016 Fiscal Year Research-status Report
ル・コルビュジエの建築理論における古典的原理と近代的世界認識を巡る思潮研究
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15K06396
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
白井 秀和 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (40206272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 一也 石川工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (90360859)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ル・コルビュジエ / 18世紀建築論 / 崇高 / 廃墟 / ヴォリューム / 空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の白井、研究分担者の村田とも、平成28年度は、文献の収集と、報告書内容の構想を中心に、研究を進めた。白井にあっては、ル・コルビュジエ関連の洋書を中心に収集し、近代におけるル・コルビュジエの「構築construction」概念や、18世紀フランスのいわゆる革命的建築家に特有な、「崇高」の概念、さらには、「廃墟」の概念とのかかわりを模索した。その成果は、近世の建築論が、ル・コルビュジエに与えた影響の解明という点に凝縮されるはずである。こうした成果は、次年度に持ち越された、海外における実地調査や一次文献の収集に、有効に生かされることになろう。 村田にあっては、ル・コルビュジエの初期の論考に顕著な、「ヴォリュームvolume」概念を中心とした、近代建築独自の「空間」概念の分析に焦点が当てられ、平成28年度末期の3月に、京大建築論研究会にて、その研究成果の一部が、発表された。また、村田は、平成28年7月に開催された、日本建築学会北陸支部大会において、「ル・コルビュジエによる「量感」と題された論考」を発表し、この内容は『北陸支部研究報告集』第59号に登載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の「研究実績の概要」にみるごとく、来年度の報告書作成に向けて、代表者、分担者ともに、確実な成果を収得中である。とりわけ、貴重な資料の収集については、きわめて順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の向けて、研究成果を日本建築学会の計画系論文集に、最低でも2編登載させることを目標に、代表者、分担者とも鋭意努力を重ねてゆく。とりわけ、研究代表者の白井は、最終的に必要とされる、一時文献の獲得のため、また実地調査のため、海外での研究活動を予定している。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、海外出張等の大きな出費を控えて、文献収集と、国内出張を主として行ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の未使用分を含めて、次年度では、海外出張のための使用を予定している。国内での文献収集も続行する。
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Research Products
(1 results)