2017 Fiscal Year Annual Research Report
On the classical principles and the modern view of the world in the architectural theory of Le Corbusier
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15K06396
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
白井 秀和 福井大学, 学術研究院工学系部門, シニアフェロー (40206272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 一也 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90360859)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ル・コルビュジエ / ニーチェ / 崇高 / 近代人 / ヴォリューム / 世界観 / 都市計画 / 古典 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の白井秀和は、国内・海外での資料収集等を基盤として、ル・コルビュジエの、近代に対する認識を考察することで、従来からの研究蓄積のある、古典的原理との対比等をその世界観から明らかにしようと試みた。 具体的には、ル・コルビュジエ特有の都市計画案を基盤として、「近代人」としての建築家・都市計画家像を、いかにル・コルビュジエが模索・追及・実現してきたのかを探求した。その成果は、報告書にまとめられるが、簡単に内容を示すと以下のごとくである。 (1)ル・コルビュジエに大きな影響を与えた思想家、例えばニーチェと共有する世界観の解明 (2)この世界観を基準とした、独自の建築制作や都市計画の構想についての新たなる探求(3)ル・コルビュジエの、20世紀前半の「近代的世界観」と、彼の「古典的知識もしくは素養」に基づく「古典的・正統的世界観」との、対立と融合を巡る考察、等である。 他方、研究分担者の村田一也は、従来の研究を推し進め、ル・コルビュジエの、「ヴォリューム」・「表面」・「平面」を巡る考察を、カント的世界観を援用して、「崇高」概念の基に集約させようと試みた。この考察は、近代的世界観を、ル・コルビュジエの根幹にあると思われる近代の美学的見地から解明しようとする試みであり、独創的なものである。 以上に見るように、哲学・美学・建築学・都市計画学等の考察に基づいた、ル・コルビュジエの、近代を中心とした世界観の解明が試みられたといえよう。
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Research Products
(3 results)