2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Urban Formation and Indian Immigrants in Southeast Asia
Project/Area Number |
15K06414
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山根 周 関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (40285242)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 東南アジア / インド / 移民 / 都市形成 / ミャンマー / ヤンゴン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東南アジアの都市におけるインド系移民の居住地に着目し、都市、建築、住居に見られる空間的特質と形成プロセスを明らかにすることを目的とし、30年度は昨年度に引き続きミャンマーのヤンゴン旧市街(ダウンタウン)における重点的臨地調査を実施した。 今年度は、ヤンゴンの都市形態の変容を明らかにするために、旧市街全域にわたる街路幅の調査を行うとともに、昨年度実施したインド系住民居住区の宗教施設等分布調査に引き続き、旧市街全域での宗教施設、コミュニティ施設等の分布調査、ヒアリング調査などを実施した。 調査の結果、旧市街の街路は大きく200ft、100ft、50ft、30ftという4段階の街路幅で構成されていることが分かった。市街地全体のほぼ中心に位置するSule Pagodaから南北に延びるSule Pagoda Roadが200ft、市街地のほぼ正方形の大街区を区画する東西、南北の街路が100ft、正方形大街区を東西に二等分する南北街路が50ft、二等分された街区をさらに短冊状に三等分する南北街路が30ftとなっている。これは19世紀半ばにイギリス軍の技術者アレクサンダー・フレイザーとモンゴメリーにより計画、設計された当初の寸法と一致し、ヤンゴン旧市街が建設当初の整然とした格子状の街路体系と街路幅を維持し、現在まで都市形態に大きな変容がなかったことが明らかになった。 また、宗教施設、コミュニティ施設の分布調査から、かつて西洋人居住区とされていたSule Pagoda Road以東のブロックにもインド系ムスリムの宗教施設が多数分布していることが明らかになったほか、市街地西部のShwedagon Pagoda RoadとPhone Gyi Street間のブロックには中国系の宗教施設、コミュニティ施設が数多く分布し、それらは大きく福建系、広東系とに分けられることが明らかになった。
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