2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of random grain boundary structures by geometrical approach
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15K06420
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 和俊 東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (60743036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 光浩 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 客員共同研究員 (00510546)
王 中長 東北大学, 材料科学高等研究所, 准教授 (20510548) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 傾角粒界 / バイクリスタル / 構造ユニット / 転位 |
Outline of Annual Research Achievements |
材料は多結晶体として用いられることが多く,内部に種々の格子欠陥を有している.粒界等の欠陥構造が材料の機能特性に多大な影響を及ぼすことから,欠陥に起因する諸現象を詳細に検討するためには,バイクリスタルなどのモデル材料を用いた研究が必要不可欠である. 近年の原子分解能収差補正・走査透過型電子顕微鏡の飛躍的な解像度向上と,エネルギー分散型X線分光法の発達により,原子レベルで元素ごとのマッピングを行うことが可能となった.その結果,酸化マグネシウムの傾角粒界面において不純物元素がマグネシウムサイトを置換し,特定の構造ユニットへの選択的偏析現象が観察された.観察結果に基づき理論計算モデルを作成し第一原理計算により置換エネルギーを計算したところ, 選択的偏析は局所的な原子構造依存性が大きいことが分かった. 対称傾角粒界においては,転位同士の相互作用により粒界転位構造ユニットは最大限に離れて配列すると考えられてきた.しかしながら,実際には幾何学的制約による影響が大きく,整数論的手法を用いて構造ユニット配列の定量的記述が可能である.本研究では粒界構造ユニットの定義について検討し3次元モデルの重要性を認識した.特に酸化亜鉛の対称傾角粒界に関してその手法を適用し,3次元構造を考慮することで系統的にすべての粒界構造を定量的に予測することが可能となった. また,対称傾角粒界における構造ユニット配列の傾角依存性に現れる数理は二種類の周期性が競合する際に普遍的に見られる現象であり,同様の数理が合金の変調構造等にも現れることが先行研究で報告されている.このため,捩り粒界および異相界面においても同様の手法による構造予測が可能であり,周期性を持つ異なる構造が界面を形成する際の構造は,統一的な手法で記述可能であることが分かった.
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Research Products
(12 results)