2017 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the innovative interface of carbon composite using reactivity and physical anchoring effect
Project/Area Number |
15K06454
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高橋 辰宏 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (60344818)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 炭素繊維 / カーボンナノチューブ / 界面 / 分散剤 / 反応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学反応性と物理アンカリングを有する炭素繊維の革新的界面創製を行った。具体的には反応性を有すし、しかも、水溶性で分散機能も有するオキサゾリン系共重合体で、カーボンナノチューブ水分散液を作製し、簡便な方法で塗布・乾燥・加熱させることで、新規界面設計を行った。マトリックスとしてポリプロピレン(一部に無水マレイン酸グラフトしたポリプロピレン)用いて、炭素繊維と熱可塑性樹脂の複合体に関して、革新的界面の効果に関して系統的な基盤研究を行った。 系統的研究を行うために、以下の多角的な観点からの検討を行った(1)炭素繊維(CF)表面の酸性官能基の定量的な分析(2)オキサゾリン系共重合体の合成・特性と分散への効果の検討(3)カーボンナノチューブ(MWCNT)表面の酸性官能基の定量的な分析(4)MWCNTが化学結合されて強固にCFに被覆していることの検証確認(洗浄・溶融混合後)と被覆率(5)CF・MWCNTの酸性官能基、反応性オキサゾリン官能基、マトリックスの無水マレイン酸官能基の、精密な界面反応に関する設計(6)複合体の力学的特性(弾性率・破断強度)(7)複合体の脆性破壊による炭素繊維表面近傍の観察(100カ所以上)による凝集破壊・界面剥離の比率からの定量的な検討 これらを、(A)化学反応性のみを有する界面 (B)物理アンカリングのいを有する界面 (C)化学反応性と物理アンカリングの両方を有する界面 の3点を設計し、それぞれが、力学的特性の弾性率及び伸びへの影響から、破断強度への影響を検討考察した。オキサゾリンの化学反応性とMWCNTの物理アンカリングによる革新的な界面設計により、炭素繊維・熱可塑性ポリプロピレン複合体で、現時点までで約60%力学的強度向上が達成できることを系統的に実証した。
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