2016 Fiscal Year Research-status Report
レーザブレイジングによる難接合材同士の異種金属接合法の確立とそのモデルの構築
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15K06465
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小椋 智 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90505984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
才田 一幸 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30178470)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 異材接合 / レーザブレイジング / アルミニウム合金 / マグネシウム合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,レーザブレイジング法を用いて難接合材同士の新しい異種金属接合プロセスを確立することを目的としている.昨年度では,難接合材同士の異種金属接合のモデルとなり,かつ輸送機器産業で需要の高いアルミニウム合金(Al-Mg系およびAl-Mg-Si系)とマグネシウム合金(Mg-Al-Zn系)を用いてレーザブレイジングを行い,プロセスパラメータの制御接合性評価を行った.昨年度までに得られた知見を基に,当該年度では異材接合の界面反応を抑制するためにインサート材を適用した.A5052母材とMgワイヤーの間にTiインサート材を用いることで,アルミニウムとマグネシウムの界面反応を抑制を図った.その結果,AZ92ワイヤー/Tiインサート材およびTiインサート材/A5052の接合界面部にてそれぞれ約5μm,200nmと非常に薄いAl-Ti系金属間化合物が形成されることで接合が達成されることがわかった.引張せん断試験の結果,インサート材を用いることで最高強度が著しく増加し,Tiインサート材の効果が認められた.まず,レーザ出力が小さい(<750W)場合にはTi/A5052界面部で破壊が生じた.レーザ出力の増加に伴い強度は増加し,A5052母材破断となった.レーザ出力750-900WにおいてはA5052母材破断となり,その強度は母材強度の80%程度となった.硬さ試験によりA5052母材部の軟化が認められたことより,入熱による母材部の軟化が継手効率80%の原因であることが考えられた.さらに出力が増加になると強度が減少し,ろう材破断となった.そのため,出力が小さい場合にはTiへの入熱が小さく界面で金属間化合物がほとんど形成されないために低強度であることが推測される.また,出力が過剰になると,ビード形状が凹み型になり,更にはろう材内のMg-Al金属間化合物が増加したためろう材内で破断したものと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、母材破断を有する異材接合法が可能であることがわかったため、順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
継手強度に及ぼすインサート厚さの影響を評価する。得られた結果より、レーザブレイジングによる異種接合プロセスの確立を図る。
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Causes of Carryover |
発注したインサートの納品が4月になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インサート厚さを0.2mm,0.5mm,1.0mmと変化させてレーザブレイジングを行い、その接合性を評価する。得られた知見から、レーザブレイジングの確立とそのモデルの構築を図る。
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